極真空手の中学日本一いざ初土俵へ 15歳神谷!陸奥親方もセンス認める
春場所の新弟子検査が3日、大阪市内で行われる。2日までに44人が受検を申し込み、極真空手の逸材で昨年、中学日本一に輝き、陸奥部屋に入門した神谷元気(15)=宮崎・国光原中学3年=は注目の1人。祖母・由美子さん(64)は自身(183センチ)より長身の184センチという“ビッグ”な血統。受検に合格すれば春場所で初土俵を踏む。
空手界で将来を嘱望された神谷が未知の相撲へ転身する。昨年、極真空手全国大会、中学2、3年の部で悲願の日本一。それまで2、3位とあと一歩で涙してきた頂点に立った。
20年東京で五輪種目。スカウトもされ宮崎を出て勝負する選択もあった。しかし昨秋、担任の先生に誘われ参加した陸奥部屋の宮崎合宿が運命を変えた。
自身より小柄な力士に挑んだが何度やっても勝てなかった。「悔しかった」。合宿最終日まで稽古をともにし「やりたい。行こう」と決断。陸奥親方(元大関霧島)に入門を願い、許された。
遠征費など家族に負担をかけてきた。祖母・由美子さんは毎日道場まで送迎してくれた。「恩返ししたい」というのも理由だった。
その祖母は何と身長184センチ。若い頃は実業団のバスケット部からスカウトされた、という。祖父・春一さんは身長170センチだが片手懸垂ができるスポーツ万能の血筋だ。
師匠の陸奥親方は「負けず嫌いなところはある」と格闘家としてのセンスを認める。先場所デビューした“昭和の大横綱”大鵬(故人)の孫・納谷(大嶽)、元横綱朝青龍のおい・豊昇龍(立浪)に負けじ、将来のスター候補に逸材が加わる。