ブーイングの中での表彰式 ウィリアムズ、大坂のあいさつで祝福の拍手に変わる

全米オープンテニスの女子シングルスを初制覇し、感極まる大坂なおみ。右はセリーナ・ウィリアムズ=8日、ニューヨーク(ゲッティ=共同)
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 「テニス・全米オープン」(8日、ニューヨーク)

 女子シングルス決勝が8日(日本時間9日早朝)、米国ニューヨークのアーサー・アッシュ・スタジアムで開催され、世界ランキング19位の大坂なおみ(20)=日清食品=が、6-2、6-4で同26位のセリーナ・ウィリアムズ(36)=米国=に勝利し、日本選手初のグランドスラム制覇を達成した。

 試合はラケット破壊したことで警告を受けるなどしたウィリアムズが、審判への執拗な抗議でゲームペナルティーを取られ、第2セット第8ゲームを戦わずして失うなど終盤は異様な雰囲気で進んだ。その後も抗議を止めず、試合は一時中断。大坂が初優勝を決めた後も、ジャッジに不満を持つ観客はブーイングを続けた。

 その中で行われた表彰式。先にマイクを向けられたウィリアムズは「プレーのことは言いたくない。ただ、彼女(大坂)は素晴らしいプレーをした。彼女にとって最初のグランドスラム優勝です」と切り出した。「皆さんが応援してくれた大会です。最高の大会にしましょう。ブーイングはもうやめて」とスタンドに呼びかけた。そして「コングラチュレーション、ナオミ」と勝者をたたえた。

 続いて大坂の優勝インタビューが始まる。インタビュアーの「準決勝が終わって夢があると言っていましたね。グランドスラムの決勝でセリーナとプレーするという夢があると。現実になりましたね」とマイクを向けられた。すると大坂は「ちょっと質問に対してではないことを話します」と口にした。「みんな彼女(セリーナ)を応援していたことを知っています。こんな終わり方ですみません」と涙を浮かべた。

 ウィリアムズの呼びかけ、大坂の涙のあいさつでブーイングが続いていた会場の雰囲気が変わる。大坂は「セリーナと全米の決勝で対戦する夢がありました。それがかなってうれしいです。プレーしてくれてありがとう」と16歳上の元世界女王に感謝した。

 優勝トロフィーを受け取る大坂には、それまでブーイングを続けていた観衆もあたたかい拍手を送った。快挙を成し遂げた大坂にようやく笑顔が戻った。

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