体操女子暴力&パワハラ騒動 現場は動揺 五輪枠懸かる世界選手権へ 士気低下免れず

 体操ニッポンで勃発した泥沼のゴタゴタに収束の気配は見えない。3日、日本体操協会の山本宣史専務理事らが3日、スポーツ庁を訪問し、速見佑斗元コーチ(34)による世界選手権代表候補の宮川紗江(18)への暴力問題と、同協会の塚原千恵子女子強化本部長(71)と、塚原光男副会長(70)による宮川へのパワハラ疑惑について、謝罪と報告を行った。

 山本専務理事は、塚原夫妻のパワハラ疑惑についての第三者委員会を今週中に立ち上げることを明言。ただ、調査報告の期限は「第三者委の方と詰めていく。それによっては延びるかもしれない」と話すに止めた。塚原夫妻は2日、パワハラの有無については第三者委に委ね、それ以外の言動などについて謝罪。宮川に対しても直接謝罪する意向を示した。ただ、宮川の代理人弁護士は「謝罪を受け入れたとして、はい、これで終わりじゃない。協会の体質とかそういうところにも言及していきたい。謝罪だけ受け入れて終わりという結論にはならない」と話している。第三者委員会がパワハラの有無だけでなく、そこに至った要因。塚原夫妻の過去の選手引き抜き疑惑や、体操協会自体のガバナンスなどにまで調査をすることになれば、長期化は免れない。

 世界選手権(10月開幕・カタール、ドーハ)まで2カ月弱。騒動が長引けば、宮川を除く代表候補への精神面での影響も懸念される。同専務理事は「選手たちも正直、精神状態が良くない状況になっている」と明かした。実際、強化の現場では「動揺がないわけない」という声もある。今年の世界選手権団体戦は3位までに20年東京五輪の出場枠が与えられる重要な大会。チームワークも鍵を握る団体戦で、強化の現場が一丸となれていない状況が続く。

 山本専務理事は「ケアを含め、試合に集中できる環境を作ってあげたい」とした一方で、千恵子氏の強化本部長職については「すべて第三者委員会に決めていただき、判断する」と話し、「今のところそういう(続ける)形で考えている」と、第三者委の判断が出るまで当面続投させる方針を示した。24日に始まる次回の強化合宿も予定通り行うという。

 求心力が著しく低下している現体制で状況を立て直せるのか。2年後の夢舞台へも大きな傷跡を残しかねない事態だ。

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