羽生結弦“原点”から4回転半に挑戦へ 勝ち負けに固執せず「自分のために滑る」

 報道陣に練習を公開した羽生結弦(共同)
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 2月の平昌五輪でフィギュアスケート男子66年ぶりの連覇を達成した羽生結弦(23)=ANA=が30日、練習拠点のトロントで練習を公開し、今季のプログラムを発表した。フリーは「Origin」、SPは「秋によせて」。幼少期からの憧れの存在だった06年トリノ五輪金メダリストのエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)、元全米王者のジョニー・ウィアー(米国)の代表曲で、自らの「原点」を表現する。また、フリーでは世界初のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に、今季中に挑戦する意向を明かした。

 ただひたむきに、そして何より楽しそうに、羽生は氷と向き合っていた。ずっと目標としていた五輪連覇を達成。求めてきた結果は、すべて手にしたという実感がある。だからこそ、今季、これまでこだわってきた勝負の部分とは一線を画し、自分の夢や憧れを追い求めることを決めた。

 「もう勝ち負けに固執する必要はない。自分のために滑る。今まで大変な道のりを歩んできた自分に対して、報われるようなことをしてあげたい」

 「原点、根源」をテーマにしたプログラムは、プルシェンコ、ウィアーという憧れの2人がかつて使用したもの。特にフリーはプルシェンコが、かつての6・0採点法で満点を記録した伝説のプログラム「ニジンスキーに捧ぐ」がモチーフだ。

 五輪後から「唯一のモチベーション」と語ってきた4回転半ジャンプも今季中に挑戦する。まだ練習でも成功はないが「やっぱり難しい。ただすごく思うのは、やっぱりアクセルって好きだなって。楽しいです」と、充実した表情で語った。

 アスリートとしての戦いの終わりが近づいてきていることを感じている。この日、4回転半ジャンプについて「期限までに決めないといけないという重圧はある」と、“残された時間”との葛藤を明かした。競技人生が終盤にきているという感覚は?という問いに「それはあります」と、素直に答えた。

 競技者として、あとは銀盤に何を残せるか。「今はただアクセルが跳びたい。自分が目指す最高のアクセルを」。氷上のヒーローがつづってきた、いつだって劇的で希望が湧く物語は、いよいよ最終章に突入していく。

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