速見コーチ、地位保全申し立て取り下げ 「宮川選手のためにならない」と代理人

 体操のリオ五輪代表・宮川紗江に対し、指導中に暴力をふるったとして、速見佑斗コーチが日本体操協会から無期限で登録抹消されたことを不服として、東京地裁に地位保全の仮処分申請をしていた件について、31日、速見コーチの代理人の山口政貴弁護士がこの申し立てを取り下げた。

 正午過ぎに東京地裁を出た山口弁護士は、報道陣からの問いかけに「取り下げ書を出して参りましたので、コーチの事件についてはこれで終了となります」と答えた。取り下げた理由について「コーチとしましては、これ以上協会の方と紛争を続けると宮川選手のためにはならないのではないか(と考えた)」と語った。

 本来であれば、この日は東京地裁で速見コーチ側、体操協会側の意見を聞く審尋が行われる予定だった。取り下げを決断したことに、同弁護士は「だいぶん、本人も悩んではいらっしゃったんですが、最終的には協会の処分を受け入れると。暴力行為をしたこと自体は事実ですので、暴力行為への協会の処分については真摯に受け止めるとのご意向でした。なのでコーチのご意向を尊重して取り下げという形にさせて頂きました」と説明した。

 宮川は29日の会見で体操協会に対し、速見コーチの処分軽減を望んでいたが、同弁護士は「協会の方がどういう形をされるのか、こちらでどうこうできる話ではございませんので、そこは判断に委ねたいと思います」との見解を示した。今回の取り下げについては、速見コーチ、宮川、宮川の両親とも話し合ったといい、「最終的にはご本人(速見コーチ)の意向を尊重しようと」となったという。宮川の様子については「どういう方法をとるのがいいか分からないということでしたので、コーチがそう仰るのならということでした」と振り返った。

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