自浄からの脱却「日本ボクシングを再興する会」が主体になれるか

 不正問題に揺れる日本ボクシング連盟の山根明会長(78)が8日、大阪市内で「本日をもって辞任を致します」と表明した。ただ報道陣の質問を受け付けず、「辞任」の中身が判然としない“灰色辞任”。告発側の「日本ボクシングを再興する会」に名を連ねる宮崎県ボクシング連盟の菊池浩吉副会長は「逃げたという印象」との見解を語った。また「再興する会」は同日、都内で会見し、日本連盟の山根会長の除名と全理事の解任を求めた。

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 「緊急記者会見」と銘打って行われた「日本ボクシングを再興する会」の会見だが、これは8月2日に告知されたものだった。その間、メディアでは山根氏の数々の不正疑惑が取りざたされ、メンバーも積極的に情報を発信した。ただ“クーデター”としては後手に回った感が否めない。

 これは「再興する会」がギリギリまで日本連盟として自浄させようとした裏返しだった。国体の隔年開催決定、五輪競技からの除外の可能性など競技が置かれた状況から、これ以上のイメージ悪化を避けたかった。

 今年4月に有志9人によって「再興する会」は発足した。7月には発足メンバーの一人が日本連盟の認めていないイベントに参加したとしていきなり除名処分を受けた。メンバーは「活動が活発になったタイミングだった」とみている。見えない“支配”は続いたが、メンバーは333人まで膨らんだ。

 「再興する会」の菊池氏は、山根氏が連盟に籍を残す可能性をにらみ「心を奮い立たせています」と語った。現理事たちとの協調路線は考えていないという。新たな組織を実現するには、理想論だけでは進まない。「再興する会」として今後どこまで腹をくくって主体性を持てるかが重要だ。(デイリースポーツ・船曳陽子)

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