御嶽海、大関とりへ来場所11勝ノルマ 有終締め逃すも新時代到来アピール

 賜杯を受け取る御嶽海
2枚

 「大相撲名古屋場所・千秋楽」(22日、ドルフィンズアリーナ)

 14日目に初優勝を決めた関脇御嶽海は豊山にかけ投げで屈し、有終締めはならなかった。敗れはしたが、1歳下の成長株との熱戦を八角理事長(元横綱北勝海)は称賛。新時代の到来を十分に予感させた。3度目の殊勲賞と2度目の技能賞も受賞。今場所13勝2敗で終え、秋場所(9月9日初日、両国国技館)がいざ大関とり。3場所で計33勝の昇進目安へ11勝がノルマになる。三賞では豊山が初、朝乃山が2度目の敢闘賞を獲得。十両は貴ノ岩が優勝決定戦を制した。

 新時代を担う若き力を存分に見せ付けた。25歳御嶽海が24歳豊山を迎えた。当たってもろ差し。自慢の速攻で押し込んだがこらえられて逆襲を許す。激しい攻防で形勢有利に持ちこみながら、最後は捨て身のかけ投げに裏返り背中から落ちた。

 20秒4の熱戦。八角理事長も「十分、十分いい相撲。優勝が決まって残念と思うお客さんにこういう相撲が見せられて良かった」とうなる一番だった。

 本人はもちろん悔しさをあらわ。「体力残ってない。最後まで体力が持たなかった。勝って終わりたかった。稽古を積まないと」。重圧に耐え続けた心身。力を出し尽くした。

 優勝者として東の支度部屋の最奥に座り取材を受けた。通常は横綱にしか座ることを許されない“王座だ”。「勝って座りたかったけど」と悔やんだが存分に見渡した。いつか現実にする天下人の景色を目に焼き付けた。

 新世代の旗手は初の優勝インタビューもお手のもの。賜杯を抱いた感想は「重かった。稽古不足」とやって笑わせた。重圧に関しては「なかなかできる経験じゃない。楽しもうと思っていた」と超プラス思考を明かした。

 先場所9勝と合わせ2場所計22勝。昇進を預かる審判部の阿武松部長(元関脇益荒雄)は「かかってくる」と来場所、大関とりとなることを明言した。

 昇進へ11勝がノルマ。今場所不在だった横綱、大関4人が復帰すれば甘くはない。「上を目指して稽古に励んでいきたい」と御嶽海は気を引き締めた。

 三賞は殊勲賞、技能賞のW受賞。最後まで優勝争いに食らい付いた同じ学生相撲出身、1歳下の豊山、朝乃山がともに敢闘賞を受賞した。高安を除く横綱、大関5人は全員が30歳超。ニューヒーロー・御嶽海に続けと新勢力が台頭。世代交代が一気に加速の予感だ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス