羽生結弦【一問一答1】記念品辞退は「皆様を代表して。個人の気持ちは出したくない」

 フィギュアスケート男子で66年ぶりの五輪連覇を達成した羽生結弦(23)=ANA=が2日、首相官邸で行われた国民栄誉賞授与式に出席した。23歳での受賞は個人としては史上最年少で、スケート界からは初めて。凛々しい紋付き袴姿で出席した羽生は、安倍首相から表彰状と盾を笑顔で受け取った。

 表彰式後の羽生の一問一答は次のとおり。

 -感想は?

 「こういった賞は自分だけで取れるものではないし、ここまで切り開いてくださった方がたくさんいる中で、こうやって代表として僕は環境にも恵まれながら頂いた賞だと思うので、本当にこの賞と皆様の期待とともにこれからも進んでいきたい」

 -袴姿だった。

 「袴は、仙台平という人間国宝でもある甲田様(甲田綏郎)が直々に贈ってくださったもので、伊達藩の藩主の方々が使っていたこともあって、非常に素晴らしいものです。自分はあまり詳しくないのですが、本当に快適に身につけさせて頂いています」

 -紋付き袴?

 「はい。一応、羽生家の紋でつけさせていただきました」

 -記念品は辞退したが?

 「自分の中で、皆様を代表してって気持ちがすごくあり、皆様とだからこそ取れた賞という気持ちがすごくあったので、僕個人の気持ちはあまり出したくないなと。そういう意味でも記念品は辞退させて頂きました」

 -今後の目標は?

 「やはり競技会に向けてしっかりとまずは準備していくことが大事。ケガの具合も少しずつ良くなってきて、できるジャンプ、技も増えてきている。自分の体と相談しながらこれから試合へ向けて、準備を着々と進めていけたら」

 -最年少の受賞となる。

 「自分の中ではあまり、最年少という気持ちは大きくない。ずっと自分の気持ちの中では、ここまで応援してくださった方も含めて、皆さんの思いがこの背中を押してくださったと思っている。最年少っていうより、皆さんがそばにいてくれて、自分が受け取ることができたのかなって思います」

 -受賞者としてどんな人生を送りたいか?

 「昨日までアイスショーなどを行ってきた。その中、受賞が決まったときにたくさんの方からおめでとうという言葉を頂いたし、日本の方だけでなく、一緒にアイスショーで滑っていた海外のスケーターの方々からもおめでとうという言葉を聞けたのがすごく印象的だった。やはり日本人として誇りを持って、日本だけじゃなく海外にも目を向けてスケーターとして滑っていきたい。海外の方から見ても素晴らしい賞であるからこそ、せっかく頂けた賞の名を背負って、いろんな活動のきっかけとなるような機会になればと思っている」

 今年2月の平昌五輪での金メダルは大きな試練を乗り越えての快挙だった。昨年11月、4回転ジャンプの着氷に失敗し、右足首を故障。約2カ月、氷上で練習ができず、一時は出場すら危ぶまれた。しかし約4カ月ぶり実戦となる夢舞台で劇的な復活を果たし、66年ぶりにフィギュア男子の五輪連覇を達成。苦難を乗り越え日本勢の大会金メダル第1号を手にした姿に、日本中が感銘を受けた。

 ◆国民栄誉賞 1977年に野球で本塁打の世界記録を打ち立てた王貞治(当時)の功績をたたえるため、政府が創設した。首相が授与式で表彰状や記念品を贈る。当初は広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与える顕著な業績を残した個人が対象だったが、2011年にサッカー女子W杯で初優勝した日本代表「なでしこジャパン」に贈る際、団体でも受賞できるように表彰規定を変更した。直近では将棋の羽生善治と囲碁の井山裕太に授与された。

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