19歳谷川史上最年少V 超進化に内村からも賛辞「まさか勝てるとは」
「体操・全日本選手権」(29日、東京体育館)
決勝が行われ、予選2位の谷川翔(順大)が172・496点を出し、19歳2カ月で史上最年少優勝を決めた。
“絶対王者”を王座から引きずり降ろしたのは、白井ではなく、他の五輪経験者でもなく、19歳の超新星だった。昨年の世界選手権代表の航を兄に持つ谷川翔が、圧倒的な美しさを武器に高いEスコア(出来栄え点)を記録し、予選2位から逆転優勝。「まだ実感がない。内村さんにまさか勝てるとは…」と初々しくはにかんだ。
96年大会の塚原直也の19歳4カ月を超える19歳2カ月での最年少優勝。昨年は腰痛のため結果を出せず、内村が「ちょっと予想外。急にドンってきた」と驚く超進化だった。
兄の背中を追い、小学1年で体操を始めた。俳優のショー・コスギが運営するアクションクラブにも通い、アクロバットの基礎や度胸を培った。持ち味は足先まで意識した美しい動き。今季から採点が厳しくなりEスコアが出にくい中でも、しっかりとした評価を獲得した。兄航も「今のルールは翔に合っている」と話す現ルールの申し子といえる存在だ。
「美しく正しい体操を、もっと世界で見せていきたい」。新王者は、端正なマスクで力強く言い切った。


