「ちびっこ相撲」女児土俵に上げずは「安全確保のため」と芝田山広報部長

 静岡市で8日開催された春巡業で「ちびっこ相撲」に参加予定の女児が日本相撲協会の要請で土俵に上がれなかった問題で協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)が12日、「安全確保のため」と、理由を説明した。

 巡業で行う「ちびっこ相撲」は力士と地元の子どもが土俵で相撲を取るファンサービスで、昨年までは女児も男児に混じり土俵に上がっていた。

 芝田山部長によれば昨秋、巡業部内で議論し、女児は土俵に上げない方針が決まった。協会内では常に検討されてきた課題で「女の子も一緒でいいのか。万が一、ケガをして顔に傷でも付いてしまったら、すいませんではすまない。回避できるなら回避できる策を取らないと。起きてからでは遅い」と、安全を最優先にした。

 巡業先では関取衆が赤ちゃんを抱っこし、土俵入りする慣習があるが、これは従来通り、女の子の赤ちゃんも土俵に上がる。

 方針は担当親方を通じ、口頭で巡業の主催者側に通達していた。今回は静岡巡業の4日前の4日に協会の荒磯親方(元幕内玉飛鳥)から電話で主催者側に「女の子は遠慮してもらいたい」と連絡があった。芝田山部長は「去年のうちには決めていたけど言葉が足りない部分があったかも。細かいことを伝えず誤解を生んだ」と、周知徹底されていなかったことを反省した。

 4日の舞鶴巡業では市長が土俵上で倒れ、救命女性に対し、行司が土俵から下りるように場内放送し問題となった。また6日の宝塚巡業では女性市長があいさつの際、土俵に上がれないことを「差別」と協会側に訴えた。

 立て続けに伝統と女人禁制の問題に焦点が当たったが、今回の件は安全面の確保。芝田山部長は「それとこれとは結び付いていない。1本の線で結び付けるとおかしい」と、あくまで別問題であることを強調した。

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