貴乃花親方、朝から晩までざんげ尽くし 屈辱の5階級降格で平年寄も 

 「大相撲春場所・千秋楽」(25日、エディオンアリーナ大阪)

 貴乃花親方(45)=元横綱=が朝から晩までざんげを尽くした。日本相撲協会と対立し、騒動を続け、弟子の十両貴公俊(たかよしとし、20)が暴行事件。京都府宇治市の部屋での朝稽古後、15分も出直し決意を語った。夜、京都市内で開いた千秋楽パーティーでも支援者らに頭を下げた。全面降伏し、ひたすら恭順姿勢に転じたが、4カ月半、角界を揺るがし続けた“反逆”の罪は軽くはない。1月4日まで協会No.3だった理事が、29日に開かれる理事会で異例の5階級下となる平年寄へ降格処分となる可能性がある。

 貴乃花親方は宣言した「一兵卒」での出直しを行動で示した。朝稽古後、弟子らが去った稽古場周辺を自ら歩き回って40分もゴミを拾った。

 掃除後の取材では、初土俵を踏んだ88年、春場所の話を切り出した。「30年前、新卒場所で人生の起点」。今場所が親方にとって起点かと問われると「一兵卒でやっていく時代がきました」とキッパリ。さらに「15年で引退、引退して親方として15年。弟子の育成をここまでの15年よりも進めていきたい」と新たな出発とした。

 昨年11月に発覚した元横綱日馬富士の暴行事件から4カ月半、協会と対立し続けた。しかし、8日目、貴公俊の暴行事件が致命打になり全面降伏した。

 この日も正午過ぎに出勤し、午後4時半に役員室を退室した。再び報道陣に約10分も応対。夜の千秋楽パーティーで支援者らに師弟の愚行を謝罪した。

 一転、恭順姿勢だが依然、内閣府に提出した協会への告発状に関し、取り下げる意向を示しながら、協会には報告していない。年寄会の錦戸会長(元関脇水戸泉)は「取り下げたのかも分からない。不信感がある」と、疑問はぬぐえていない。

 29日の理事会で厳罰の可能性は高い。1月4日の評議員会で理事を解任され、2階級降格し役員待遇委員。2月の理事選で落選し、通例なら委員に降格処分となる。さらに今回、告発状の件も懲戒処分の対象になる。

 さらに2階級下、親方で最下層となる平年寄の可能性もある。3カ月あまりで5階級の転落となれば平成の大横綱にとって最大の屈辱。自ら発した「一兵卒」が現実になってもおかしくはない。

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