びわ湖に響いた箱根名物の大八木ゲキ 「あと5秒速く走れ」中村GC切符獲得を後押し

教え子の中村匠吾について語る大八木監督=皇子山陸上競技場
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 「びわ湖毎日マラソン」(4日、大津市皇子山陸上競技場発着)

 20年東京五輪代表選考会「グランドチャンピオンシップ(GC)」出場権と、8月のジャカルタ・アジア大会代表選考会を兼ねて行われ、初マラソンの中村匠吾(25)=富士通=が2時間10分51秒で日本人トップの7位となり、2時間11分以内の規定をクリアし、GC出場権を獲得した。

 ど根性のラストスパートで、夢の大一番への切符をつかみ取った。気温が20度近く上がり、初マラソンの中村にとっては厳しい消耗戦。40キロ時点では、GC出場権を獲得できる2時間11分以内は苦しい状況だった。「ここまできたら行くしかない」。残り2・195キロは優勝のディラング(6分32秒)に次ぐ6分46秒をマークし、ギリギリで切符を獲得。「次に繋がるいいレースができた」と、安堵の表情を浮かべた。

 箱根駅伝の名物となっているあの“ゲキ”が、最後の後押しとなった。卒業後も指導を受ける駒大の大八木弘明監督は、中村が競技場に入ってくると同時にすごい勢いで走り出した。残り500メートルで「あと5秒速く走れ!」と、“大八木節”で激励。箱根を沸かせる「男だろ!」などとは違い、かなり現実的なゲキだったが、中村は「監督の声を受けて最後に頑張れた」と、笑った。

 教え子の力走に大八木監督は「初マラソンでよく走ったと思う。次のステージに進める」と、目を細めていた。

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