張本、水谷超え史上最年少14歳205日V 「チョレイ」ボーイ最後は「ドウ!」

 「卓球・全日本選手権」(18日、東京体育館)

 ジュニアの部シングルスで男子の中学2年、張本智和(エリートアカデミー)が初優勝を果たした。14歳205日での制覇は水谷隼の14歳221日を抜いて男子の史上最年少記録。女子は長崎美柚(エリートアカデミー)が初優勝。混合ダブルスは、森薗政崇(明大)伊藤美誠(スターツ)組が初の日本一に輝いた。シングルスは男女4回戦から有力シード選手が登場し、連覇を狙う女子の平野美宇(エリートアカデミー)らが初戦を順当に勝ち上がった。

 最終ポイントを決めた張本が一呼吸、置く。右腕を突き上げながらグッと背中をそり上げると「ドウ!」と雄たけびを上げた。「初めて8強に入って3年たち、毎年優勝候補といわれながら4強が最高だった。今年優勝できないとヤバいなと思っていたのでホッとしている」。最年少優勝-。しかし、この天才少年にとっては“遅すぎる”戴冠劇だった。

 小学5年で8強入りし、翌年は4強。中学1年の前回は優勝を期したが準々決勝で散り、人目をはばからず号泣した。この1年はシニアの国際舞台で活躍したものの「どこか心に引っかかるものがあった」。もうジュニアに出場する必要もなかったが、未到の頂は制覇するのが性分だ。

 1年の成長を見せたのが決勝の第2ゲーム。1-7と大きくリードを許しても焦らない。多彩なサーブ、強烈なフォアハンドで幻惑し、逆転。日本男子の倉嶋洋介監督は「以前なら自滅していたが、劣勢でも冷静に戦術を考えられるようになった」と目を細めた。

 混合ダブルスで敗れ史上初の4冠の夢はついえたが、史上5人目の3冠に向けてまずは1冠。一般の部でも初めて5回戦に進出し、張本は「ジュニア優勝はうれしいが、一般で優勝できなかったら意味がない」とキッパリ。「この勢いで自分なら(3冠)できる。油断せず残り2つも優勝を狙う」。規格外の14歳は次なる未到の山頂に視線を移した。

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