尾道 瀕死の重傷から復活の菊池先制T…相撲部兼務の男が次戦“金星”狙う

 「全国高校ラグビー・2回戦、尾道38-0若狭東」(30日、花園ラグビー場)

 2回戦16試合が行われ、尾道(広島)が38-0で若狭東(福井)に快勝し、3回戦へ進出した。首の故障で約1年間プレーできなかったプロップ菊池圭祐(3年)が先制トライを含む2トライを挙げて勝利に貢献した。

 “聖地”でプレーできる喜びが全身にあふれていた。首の故障から今秋復帰したばかりの菊池は前半11分、ゴール前の左中間ラックから右サイドを突いて先制トライを奪うと、同22分にもゴール前のラックから左サイドに持ち出し、2本目のトライ。「仲間がつないでくれたボールなので、絶対に自分が取り切ろうと思った」と声を弾ませた。

 一歩間違えば命も落としかねないアクシデントに見舞われたのは昨年11月だった。尾道は他のクラブとの兼務が認められており、体重105キロの菊池は相撲部員として出場した大会で、立ち合いに頭から相手にぶつかった際に首を負傷。全身が麻痺(まひ)し、救急搬送された。診断は「頸椎(けいつい)椎間板ヘルニア」。医師からは「負傷箇所が数ミリずれていたら死んでいた」と言われた。

 約5時間の手術を受け、半年間は安静を余儀なくされた。昨年の花園はテレビ観戦。仲間のプレーする姿に「来年は必ず自分も花園の舞台に立つ」と誓って苦しいリハビリにも耐えた。7月から練習を再開し、10月の広島県予選で復帰。70キロあった右手の握力は現在も20キロしか戻っておらず後遺症もあるが、気力でカバーしている。

 チームの目標は3大会前に並ぶ過去最高の4強入り。元日の3回戦ではAシードの桐蔭学園と対戦する。「まだ首は完全に治っていないけど、僕にとっては高校最後の大会。首が折れてもいいぐらいのつもりで全力でぶつかっていく」。今春の選抜大会優勝の“横綱”から、相撲仕込みの突進力で“大金星”を狙う。

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