宇野、フリー1位も0・50差チェンに勝てず、2位「結果は僕の実力」

 フリーで熱演する宇野昌磨
2枚

 「フィギュアスケート・GPファイナル」(8日、日本ガイシホール)

 ショートプログラム(SP)2位から逆転を目指した男子の宇野昌磨(19)=トヨタ自動車=はフリー1位の184・50点をマークしたが、合計286・01点で2位に終わった。2012年の高橋大輔、13~16年の羽生結弦と5年続いていた日本勢の連覇は途絶えた。SP1位のネーサン・チェン(18)=米国=が286・51点で初優勝。女子SPは宮原知子(19)=関大=が自己ベストに迫る74・61点で3位、初出場の樋口新葉(16)=東京・日本橋女学館高=は73・26点で5位につけた。

 手中にあった地元での初戴冠はスルッとこぼれ落ちた。羽生、フェルナンデス、金博洋ら有力選手が不在の中、先に滑った“唯一”のライバル・チェンがミスを連発。しかし最終滑走の宇野も同じくミスを重ね、笑顔の花を咲かすことはできなかった。

 勝ち切るチャンスはいくらでもあった。「チャレンジジャンプ」と位置づけた冒頭の4回転ループで転倒。しかしそれ以上に重大だったのは「ほぼ失敗はない」という4回転トーループでの失敗が重なったことだ。

 ループ、サルコー、フリップ、トーループと4つの4回転を組み込んだことで、直前の6分間練習では確認事項が増え、満足いかないまま練習を終えざるを得なかった。

 さらに4回転トーループが回転不足になったことで頭が混乱。跳びすぎ違反(同じジャンプは2度まで)を恐れ、予定していたサルコー-トーループの連続3回転を回避し、3回転サルコーの単発にしたが…。演技後「そっか、そうじゃん!冷静に考えればやってもよかった」。跳んでもセーフだったことが判明。加点のチャンスをみすみす逃した。

 首位との差はわずか0・50点。だが宇野は悔しがるそぶりも見せず「楽しかったです」と繰り返した。“ナゾ”な思考回路ぶりではあるが、納得できる練習をこなして試合に臨めたからこそだ。「結果は僕の実力。なぜか今は満足しています」。わずかな点差にも、思うことは「ホントにない」と言ったのはウソではない。

 前日のSPではミスに苦笑い。この日は演技後、ガックリうなだれ、取材エリアでまた苦笑いだった。地元・名古屋でかなわなかった初優勝。「心から楽しめている表情が出る演技を全日本でやりたい」。とびっきりの笑顔は全日本選手権(21~24日、東京)までお預けだ。その先に、大舞台・五輪が待っている。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス