日馬富士「酒飲んだからの事件ではない」 貴ノ岩とは「握手した」【引退会見一問一答3】
平幕貴ノ岩への暴行問題を起こした横綱日馬富士が29日、日本相撲協会に引退届を提出、同協会はこれを受理した。日馬富士はこの日午後、福岡県太宰府市内で師匠の伊勢ケ浜親方と会見を開き、冒頭で「この度横綱としての責任を感じ、本日引退します」などと話し、頭を深々と下げ続けた。
会見での質疑応答(3完)は次の通り。
-今、貴ノ岩関に対して。
日馬富士「貴ノ岩関にけがを負わせて、心もたぶん傷ついていると思いますので…。これから礼儀と礼節をなされて、ちゃんとした生き方をして頑張っていただきたいです。ハイ」
-九州場所2日目まで土俵に上がっていたときの気持ちは。
「相撲に集中して上がっていました。(暴行問題が)新聞に出ることもその日は分からなかったので…。(事件の)次の日、(10月)26日に彼(貴ノ岩)が僕の所に謝りに来て、その時に『しかってくれるお兄さんがいることに感謝しろよ、気を付けて頑張れよ』と言って、握手して別れた訳ですから、(本場所3日目の)朝になってこんなに大きくなっているとは知りませんでした」
-親方、貴ノ岩関とは報道陣も接触できず分からないが、ほかの解決方法、収拾の仕方の可能性があったか。
伊勢ケ浜親方「それは皆さんがどういう風に思うかで、私はやはりよその部屋の関取を指導して、それがいきすぎてしまった。そのいきすぎてしまった事由にはやはり横綱として権威というか、横綱の名を汚したくないかな、と私は思う。ですから、その責任は絶対に取らないといけないと思う」
-師匠は公益財団法人の理事でもあるが、これまでの協会の対応には。
「私は全部説明してきちんとやってきました。それだけです」
-対応が遅れたという声も。
「私は(問題を)知ってすぐに謝罪しました。部屋でもしました。私が(貴乃花部屋に)行って断られたこともあったが。そういうことはきちんとやってきました」
-横綱、今回起きてしまったことの重大さ。今はどのように認識している。
日馬富士「今回のことで、彼(貴ノ岩)のためになる。そして僕は正しいことをしているんだという気持ちも強いが、いきすぎることがあるんだなと思いました。ホントに…それだけです」
-酒を飲んだときの自分の性格を自分や周りはどう見ている。
「私、今までお酒を飲んで、何かの事件を起こしたことはありません(強い口調)。それを自分がどうのこうのとかは(周囲が)評価してくれることなので、また自信を持って言えるのは、お酒を飲んで人を傷つたり暴れたり、酒癖が悪いと言われたことは、今まで一度もないのです」
-あらためてお酒とどう向き合っていくか。
「お酒を飲んだからこその事件じゃないんで…」(首をたてに振る)
-これまでにいきすぎた指導があったのか。もしくは相撲界でこのような指導を見たことがあるのか。
「今までこういう指導をしたことはありません。(周りでも)ないです。相撲は稽古場で土俵の上で教えていくものなので」
-本当は辞めたくはないのでは。
「やはり横綱としてやってはいけないことをしてしまったので、責任を持つのが横綱なので、今はこうしたいなとかは、ないです」
-伊勢ケ浜親方は以前にあしき上下関係をなくすと言っていた。
伊勢ケ浜親方「冒頭で言いましたように、なぜこんなことが起きたのか不思議でなりません。それ以上に言いようがない」
-新入幕、大関昇進、横綱昇進をした九州場所で引退。
「17年前に平成12年9月に日本に来て、初めて見たのが九州場所。ホントにげんのいい場所で、九州の後援会の人、お客さまに大変かわいがっていただいてきました。ホントに九州大好きです。そして太宰府の神様を心から信じています」
-その九州場所で引退を決めた。
「決めたというのではなく、そうなった。それを今言っている。その質問はちょっと」
-2020年東京五輪まで横綱を続けたいと。どの段階で引退を決めた。
「それもさっき説明した。(自分と日馬富士で)話し合った。同じ質問は(両手で拒むポーズ)だから場所中に話して…。もっと皆さん聞きたいことがあると思う。(質問者は)変わってください」
-(同じ質問者)今後何か角界に関わっていきたいか。
(日馬富士と伊勢ケ浜親方が顔を合わせ)
伊勢ケ浜親方「ほかの人に変わってください。だってきょう引退したばかりで(結論は)出ないでしょ(質問者に笑顔を向けて手を振る)」
-当日の夜の経緯。貴ノ岩関への思いも。
「まだ、捜査も続いていますので、そういったことには答えられない。(貴ノ岩への思いも)さっき述べていますので。ちょっと質問が重なっているので、ほかの質問があれば」
-白鵬関は「もう一度土俵に上げさせてやりたい」と。
日馬富士「今も言いましたが、相手をけがを負わせて、責任を持つのが横綱なので…(白鵬の)その気持ちはうれしかったです」
(会見終了)横綱と親方の2人は再び頭を深々と下げ、会見場の部屋を出る。





