貴乃花親方 日馬富士側を提訴も 前代未聞!元横綱が現役横綱を

 大相撲の貴乃花親方(45)=元横綱=が、弟子の幕内貴ノ岩(27)=貴乃花=に暴力を振るった横綱日馬富士(33)=伊勢ケ浜=側に対し、民事訴訟などの法的手段を検討する意向を示唆していたことが18日、分かった。14日に日本相撲協会の事情聴取を受けた際に「第三者を立てなければいけないことになるかも」と話した。17日に協会が公表した重傷ではなかったとの診断内容と、貴乃花親方の協会への報告は食い違いをみせている。何が真相なのか-。同親方の不可解な言動が事件の混迷に拍車をかけている。

 角界に激震を起こした暴行事件の焦点は、貴乃花親方に移ってきた。事件が発覚した14日、協会で両師匠を聴取した際の“修羅場”の様子が分かった。

 この日、広報部の春日野部長(元関脇栃乃和歌)が明かした説明によれば、日馬富士の師匠・伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が貴乃花親方に「他の力士もいるし(訴えるのは)場所後にしてもらえないか」と立って頭を下げた、という。

 10月29日に鳥取県警に提出されていた被害届に関し、協会とともに取り下げることを願い出た。しかし貴乃花親方は取り下げないことを明言。「第三者を立てなければいけないようになるかも」と弁護士を立て、民事訴訟などの法的手段を検討する意向まで示唆した。提訴すれば、元横綱の現職理事が現役横綱を訴える異例の事態。全面対決も辞さない強硬な構えだった。

 自身の弟子が被害者とはいえ、協会理事が混乱を収めるどころか拡大する言動。春日野部長は「売り言葉に買い言葉じゃないけど、そこまで言うことないと感じた」と話した。「訴えるって、俺らに対してか?」と協会すら敵視する姿勢に首をかしげる理事もいた。

 17日には協会の危機管理委員会が診断書の内容を再確認し、貴ノ岩が重傷であることを否定。聴取の際に「(貴ノ岩は)ビール瓶で殴られた。頭が割れている。相撲が取れる状態ではない」と語った貴乃花親方の休場理由とは食い違っている。

 衝撃の新事実公表から一夜明けたこの日、福岡県田川市の貴乃花宿舎は厳戒態勢だった。稽古場に報道陣は立ち入り禁止とし、さらに隣接する駐車場からも締め出した。ピリピリムードの中、同親方は昼過ぎに車に乗り込み出発した。

 会場入り後、巡業部の部屋からはトイレに出るくらいで、こもりっきり。幕内取組も横綱戦を含む残り3番を見ることなく、結び前に早退した。その際、協会の診断書に関する考えを問われたが何も語らなかった。

 春日野部長は「(14日の聴取は)うそを言うことはできない。(八角)理事長の前で言ったんだから」と話すが真相は何か謎は深まるばかり。危機管理委員会を中心に再聴取する意向もある。不可解な行動を続ける貴乃花親方に説明責任が求められている。

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