プルシェンコ氏、羽生に金言「4回転ルッツ必要ない」 3本で十分、他選手と滑り違う

羽生結弦について語る左から松岡修造(左)、吉田沙保里(中)、プルシェンコ(右)=都内
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 トリノ五輪フィギュアスケート男子シングル金メダリストで、皇帝の異名をとったエフゲニー・プルシェンコ氏(35)=ロシア=が15日、都内で行われた平昌2018冬季オリンピックP&G「ママの公式スポンサー」キャンペーンの新CM発表会に出演した。右足首を治療中の羽生結弦(ANA)について、平昌五輪での4回転ルッツは「必要ない」と明言。その理由を「滑りがまったく違うから」と説明した。

 イベントには松岡修造、女子レスリングの吉田沙保里も出演し、皇帝と呼ばれた男の言葉に耳を傾けた。4回転ルッツは、羽生がNHK杯の公式練習で負傷するきっかけとなったという因縁があるが、今季前から長い時間をかけてプログラムに取り入れようとした思いがある大技でもある。

 プルシェンコ氏は4回転ルッツの必要性について「今回のオリンピックにおいて、羽生結弦選手にとって必要であるとは思いません。私にとっては疑問です」と言い切った。他の選手の構成も見る必要があるとした上で、「3回、4回転(ジャンプ)をするのであれば十分だと思います」と4回転ルッツなしでも五輪で勝てるプログラムをつくれると太鼓判を押した。

 その理由は「他の選手とは滑りがまったく違うから」。フィギュアは技の難易度だけではなく、出来栄え、曲の理解、振り付け、スケート技術など、さまざまな面で採点がなされる。「回り方も違う、滑りが違う。観客の皆さんの心をつかむのは羽生選手にしかできないと思う」としたプルシェンコ氏は、4回転ルッツについて、「この次の五輪も現役で出場すると決めるのであれば、その時は4回転ルッツが必要であると思います」と2022年北京五輪では、必要になってくるとの見解を示した。

 プルシェンコ氏の全盛期は、4回転ジャンプは同氏の代名詞とも言えるほど、使い手がいない大技だった。それが今や1つの演技構成に複数の4回転を入れることが当たり前の時代に突入している。このことを「私は現在のアスリートの皆さんに感謝をしたい。今活躍しているアスリートは、フィギュアスケートを大きく前進させてくれたからです」と前向きにとらえつつ、「これが危険かというと、前に進むことは止めるわけにはいかない」と、スポーツとしての進化として必要なことと語った。

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