羽生、絶対安静10日 代表入り濃厚も五輪連覇へ試練…12月全日本での復帰目指す

 フィギュアスケート男子のソチ五輪金メダリストで、右足関節外側靱帯(じんたい)損傷のため、NHK杯を欠場した羽生結弦(22)=ANA=が12日、絶対安静10日間、完全復帰まで4~5週間掛かる見通しを示した。連盟を通じて、コメントを発表。連覇の懸かる平昌五輪に向けて大きな試練が立ちはだかったが、まず12月の全日本選手権(調布)までに全力で回復に努めることを誓った。羽生はこの日の早朝に、伊丹空港から大阪を離れた。

 不幸中の幸い、ただ、五輪連覇という大偉業に挑む男にとっては、厳しい診断だった。前夜に羽生が所属するANAの城田憲子監督と会談したという日本スケート連盟の小林芳子強化部長は、羽生の談話を発表。「10日間は絶対安静と医師から言われました。その後、(氷上に乗って)3~4週間で元に戻るとみております」。負傷から3日。ようやく日本のエースの回復見通しが明らかになった。

 小林強化部長によると、「完全復帰までは4~5週間」の見通しだという。最大の目標である平昌五輪までは残り3カ月。代表選考基準には、負傷などによる救済措置が明記されており、世界ランク1位、今季ベストで3位以下を大きく引き離す2位の羽生は、仮に全日本選手権を欠場しても、代表入りは濃厚。しっかり回復に充てれば、万全の状態で五輪本番に臨める可能性は高い。

 ただ、その場合、約4カ月実戦が遠ざかり、試合勘を欠いたまま、大一番に臨むことになる。出場の可能性がある大会としては、1月下旬の四大陸選手権(台湾)もあるが、五輪まで中2週となり、けが明けの選手にとってはやや強行軍。だからこそ、羽生は「全日本までに間に合うように治療・リハビリに努力いたします」と、見通しとしてはギリギリとみられる全日本での復帰に向けた決意をつづった。

 羽生はこの日早朝に、伊丹空港発の航空機で大阪から離れた。厳戒態勢の中、黒のワンボックスカーから降りてきた羽生は、松葉づえ姿。マスクをしており、表情をうかがい知ることはできなかったが、空港関係者の説明を聞いた後、一般客とは別の特別な動線で機内へと向かった。つえをつきながらも、その足取りには、とにかく前へと進もうとする力強さがあった。

 「全日本ではいい演技が出来るように頑張ります」。これまで何度も逆境をはね返してきた。羽生結弦にとって、“奇跡”という言葉は起こすためにある。

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