樋口「新葉ボンド」で自己最高の2位! GPファイナル初出場へ大きく前進

 「フィギュアスケート・中国杯」(4日、北京)

 女子はショートプログラム(SP)2位の樋口新葉(16)=東京・日本橋女学館高=がフリー2位の141・99点をマークし、合計212・52点で日本人トップの2位となった。第1戦のロシア杯で3位に入っており、2戦連続の表彰台。自身初のGPファイナル進出へ大きく前進した。SP7位の三原舞依(18)=シスメックス=がフリー3位で4位、SP6位の本田真凜(16)=大阪・関大高=がフリー5位で5位。昨季世界ジュニア選手権女王のアリーナ・ザギトワ(ロシア)がSP4位からフリー1位で逆転し、GP初出場優勝を飾った。男子はSP4位の田中刑事(22)=倉敷芸術科学大大学院=が7位。ミハイル・コリャダ(ロシア)がGP初制覇を果たした。

 ガッツポーズまでもがたくましい「新葉ボンド」だった。樋口は音楽にビシっと合った個性的な振り付けで、会場を魅了。ざわついていた現地の観客も、いつの間にか映画「007 スカイフォール」の世界へと引き込まれていった。

 冒頭のダブルアクセル(2回転半)を力強く着氷。最後のステップこそレベル3(最高は4)だったが、大きなミスなく演じきった。「終わった瞬間はすごくうれしかった」と晴れやかな笑みを浮かべた樋口。しかし得点には「本当に悔しい」と連呼した。首位とはわずか1・36点差。次から次へと「差を詰められた」と感じる箇所が浮かんできた。

 雪辱のシーズンだ。平昌五輪の本番会場で行われた昨季の四大陸選手権。「原因は自分でも分からない」という不調に襲われた。ジャンプでミスを連発し、9位。演技後は涙が止まらなかった。その大会で優勝したのは同世代の三原。悔しさとふがいなさで朝5時まで眠れなかった。悪夢払拭(ふっしょく)を誓った世界選手権でも11位に終わり「もう絶対に負けたくない。納得のいく演技がしたい」。同じ過ちは繰り返さないと決めた。

 「絶対に五輪に行く」という思いも樋口を後押し。不調の原因は練習不足による不安と分析し、練習に対する意識も変わった。今は「やらなきゃより、いつも通りやるって思ってる」。練習を信じられるようになった。

 GPシリーズ2位は自身最高。2戦連続の表彰台で“五輪代表争い前哨戦”とも言える日本女子3人の決戦を制した。GPファイナルへも大きく前進。「日本人で1番になれたのはうれしいけど、まだまだ直せるところはたくさんある。行けるかはまだ分からないけど、ファイナルまでもう少し追い込んで練習したい」。慢心はない。貪欲に、平昌五輪まで駆け抜ける。

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