羽生 GPシリーズ開幕へ「やっと始まった」 過去の初戦は鬼門?

 「フィギュアスケート・ロシア杯」(20日開幕、モスクワ)

 66年ぶりの五輪連覇を狙うソチ五輪金メダリストの羽生結弦(22)=ANA=が20日にグランプリ(GP)シリーズ初戦となるロシア杯を迎える。GPシリーズは全6戦行われ、1人最大2試合に出場可能。順位ポイントの上位6選手がGPファイナル(12月7~10日、名古屋)に進出でき、羽生は前人未到のGPファイナル5連覇が懸かっている。

 羽生は19日、公式練習に参加し、昨季の四大陸選手権(江陵)で敗れたネーサン・チェン(米国)らとともに本番リンクで調整した。また自身4種類目の4回転ジャンプで、アクセルを除く4回転で最も基礎点が高い4回転ルッツの実戦導入を明言した。平昌五輪シーズンのGPシリーズ初戦で、どんな滑り出しを見せるのか。「やっと始まったなという感覚は、やっぱりある」と話した羽生は「きょうできたこと、できなかったことを反省して、調整して、しっかりやりたい」と意気込んだ。

 これまで羽生は、シニア参戦後7シーズンで一度もGPシリーズ初戦を制していない。ただ、その悔しさを練習にぶつけ、GPファイナルで結果を残すという流れが続いているのも事実だ。羽生自身は「悔しい思いはもうオータムクラシック(9月、モントリオール)でつかんでこのGP初戦に臨んでいる。そういう意味では万全で来ていると思う」と前向きに話している。

 ◇  ◇

 羽生の直近のGPシリーズ初戦は次の通り。

 ◇2013-14年(ソチ五輪シーズン) スケートカナダ

 SPでは、直前の6分間練習までは好調も、本番でジャンプでミスを連発。「すごい心残りがある。悔しいけど空回りした」と怒りを口にした。挽回を誓ったフリーでも4回転ジャンプで転倒するなど振るわず。他選手にミスが目立ったことで2位となったが、優勝したチャン(カナダ)とは27・23点差だった。

 ◇2014-15年 GP中国杯

 腰痛を発症し、シーズン初戦に予定していたフィンランディア杯を欠場。中国杯がシーズン初戦となった。SPでは後半のジャンプが乱れ、2位に止まり「もう最悪の一言。ひどかった」。そしてフリーではよもやのアクシデントが待っていた。直前の6分間練習中に他の選手と激しく衝突し転倒。頭部などから出血するなど大けがに見舞われた。関係者が棄権を勧める中、自らの意志で再びリンクに立つと、5度の転倒があったが、驚異的な精神力で最後まで滑りきり、237・55点で2位を死守した。

 ◇2015-16年 スケートカナダ

 2シーズン目となったショパンの「バラード第1番」を演じたSPで、まさかのミスが出た。後半の4回転トーループが2回転になると、連続ジャンプの2つ目のジャンプも2回転トーループに。同一ジャンプを2度跳んではいけないルールから「0点」扱いとなり、6位にとどまった。フリーでは今季も使用する「SEIMEI」で4回転を3度着氷。終盤に転倒もあったが「自分の中では頑張った方」と納得の表情だった。

 ◇2016-17年 スケートカナダ

 またもSPで出遅れ、フリーで巻き返す形となった。シーズン初戦のオータムクラシックで世界初成功した4回転ループが回転不足の判定となると、続く4回転も3回転に。自己ベストを約30点下回り、首位のチャン(カナダ)とも約11点の差をつけられた。フリーでは4回転を4本中2本成功。「これからまた上げていきます」と話し、男女を通じて世界初となるGPファイナル4連覇へとつなげた。

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