平昌シーズン始動の羽生結弦 過去の初戦は…。まさかのアクシデントに、世界初4ループ成功も
「フィギュアスケート・オータムクラシック」(カナダ、モントリオール)
平昌五輪で66年ぶりとなる連覇を狙うソチ五輪金メダリストの羽生結弦(22)=ANA=が22日(日本時間23日)に、シーズン初戦を迎える。21日は公式練習に参加。関係者によると、右膝にわずかな痛みを抱える状態で全体的な構成の難度は予定よりも抑える予定だが、4回転ジャンプを何度も決めるなど感覚の良さを感じさせた。前世界王者で盟友のハビエル・フェルナンデス(スペイン)も出場する中、果たしてどんなシーズンの滑り出しを見せるのか。
羽生の直近のシーズン初戦は次の通り。
◇2013-14年シーズン フィンランディア杯
ソチ五輪シーズンの初戦はSP、フリーとも1位で、265・59点をマークし、完全優勝を飾った。フリーではサルコーとトーループの2種類の4回転ジャンプを決め、フリーと総得点ではいきなり当時の自己ベストをマーク。GPファイナル、五輪、世界選手権の3冠を獲得するシーズンを象徴するような、幸先のいいスタートを切った。「まあ頑張ったかなと思う。調子が良くない中でサルコーとトーループの4回転ジャンプを決められた。後半疲れてしまったが、最後まで倒れずに滑れたのは良かった」
◇2014-15年 GP中国杯
腰痛を発症し、シーズン初戦に予定していたフィンランディア杯を欠場。GPシリーズの中国杯が初戦となった。SPでは後半のジャンプが乱れ、2位に止まり「もう最悪の一言。ひどかった」。そしてフリーではよもやのアクシデントが待っていた。直前の6分間練習中に他の選手と激しく衝突し転倒。頭部などから出血するなど大けがに見舞われた。関係者が棄権を進める中、自らの意志で再びリンクに立つと、5度の転倒があったが、驚異的な精神力で最後まで滑りきり、237・55点で2位を死守した。
◇2015-16年 オータムクラシック
SP、フリーとも1位の277・19点で完全優勝を飾った。フリーでは今季も使用する「SEIMEI」を試合で初披露。5項目の構成点で全て9点台の高い評価を得たが、後半の4回転ジャンプで転倒し「点は思っていた以上に評価していただいたが、正直悔しい」と、悔しがった。ただ、ここで出た課題を見事に修正し、NHK杯、GPファイナルと完ぺきな演技で世界最高得点を連発した。
◇2016-17年
オータムクラシック
SP、フリーとも1位の260・57点で完全優勝を飾った。SPで、いきなりこのシーズンから組み込んだ4回転ループに世界で初めて成功すると、フリーでもループに成功した。ただ、フリーでは後半に2度転倒。「見ての通り、バテていた感じはあった。前向きな悔しさがある。次の試合はノーミスでやります。絶対に。そうじゃなきゃ羽生結弦じゃない。一皮とはいわず、十皮でも二十皮でもむけるように追い込みたい」と、ギラリ。世界王者奪還のシーズンへとつなげていった。