桐生の9秒台に、10秒00前日本記録保持者・伊東浩司氏「感慨深い」「桐生の意地」
「陸上・日本学生対校選手権」(9日、福井県営陸上競技場)
男子100メートル決勝が行われ、桐生祥秀(21)=東洋大=が日本人初の9秒台となる9秒98(追い風1・8メートル)をマークし、98年バンコクアジア大会で伊東浩司がマークした10秒00の日本記録を19年ぶりに更新した。
陸連の強化委員長として、会場でついに自身の記録が破られる瞬間を目撃した伊東氏は「この場に立ち会えて、皆さんと一緒にこの瞬間を味わえて、感慨深いものがある。こういう雰囲気で自分の記録が抜かれるのかという喜びというか…。改めて桐生くんにおめでとうといいたい」と、桐生を祝福した。
9秒台の要因については「桐生くんの意地だと思う」と、分析。「多田くんに前に出られて、いつもなら硬くなる場面。桐生くんが壁を乗り越える瞬間を見させてもらった」と、うなずいた。
世界選手権でのサニブラウンの活躍など、活気づく日本スプリント界でついに誕生した9秒台。伊東氏は「これがようやく世界と勝負するスタート。9秒に入って初めて世界と戦える。これに続いて、9秒台を1人でも多く出してもらって、2020年東京五輪を迎えたい」と、期待を込めた。