13歳張本に折られたプライド 復権期すエース水谷「危機感を感じた」

 「卓球・荻村杯ジャパンオープン」(16日、東京体育館)

 男子シングルス1回戦が行われ、リオデジャネイロ五輪銅メダリストで、世界ランク6位の水谷隼(28)=木下グループ=は、同33位のシュテーガー(ドイツ)を4-1で下し、2回戦進出を決めた。

 屈辱の完敗から2週間。男子のエースが復権への第一歩を刻んだ。リオ五輪でも勝利したシュテーガーを圧倒し、2回戦に進んだ水谷は「初戦ということで最初はガチガチだったけど、最後は自分から積極的に攻められた。よかった」と、安堵の表情で汗を拭った。

 今月上旬にドイツ・デュッセルドルフで行われた世界選手権2回戦で13歳の張本智和に1-4で完敗した。芽生えたのは強い焦燥感。「危機感を感じた。東京五輪は3人しか出られない。シングルスに関していえば2人しか。若手が出てきた中で、3人に入るのはすごく難しい。さらに強くならないといけない」。20年東京五輪までは現役続行を決めている中で、厳しい現実を痛感させられた。

 その後も水谷らしくない、どちらかといえば弱気な言葉が続いた。「エースは日本のために勝てる選手なら誰でもいい。それが僕でも、張本でも」、「自分ももう若い年齢ではない。あとどれくらい卓球ができるか分からない。1大会ずつ大事に戦っていきたい」。心の傷はまだ癒えていないようにも見えた。

 今大会は王国・中国の世界ランク1~3位の3強も出場。張本が予選で敗退した中、開催国のエースとして、その左腕に懸かる期待は大きい。「気持ちだけは負けないようにしたい」と、必死に気持ちを奮い立たせた水谷。東京五輪まであと3年。世代交代の波に抗う、28歳の戦いが始まった。

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