極真戦士が戸惑いの五輪空手挑戦 84キロ超級の上田「何もかもが違う」

 20年東京五輪の新種目となった空手のナショナルチームが12日、日本空手道会館で今年度第1回の強化合宿を公開した。全日本空手道連盟(全空連)とは別団体の国際空手道連盟極真会館から組手男子84キロ超級の上田幹雄(21)が参加したが、2つの“空手”の違いを痛感する初日となった。

 上田は五輪を目指し、先月の強化選手選考会に参加。一撃必殺を理念とする極真とは違う、寸止めでポイント制の五輪の空手の距離感や技の出し方に苦しみ、1ポイントも奪えなかったが、全空連は3年後を見据え今年度は強化育成選手として、全空連の強化合宿に参加させることを決めた。ともに参加予定だった高橋佑汰(24)が怪我のため、不参加。極真から1人だけの参加となり「心細かった」と苦笑いを浮かべたが、全空連の選手とも交流しながら練習をこなした。

 試合形式の練習では、選考会と同じく間合いや、寸止めの攻撃にに戸惑う場面が目立った。「全然スピードが違った。完ぺきに当てて良い競技と当てちゃ駄目な競技なので、何もかもが違う」と頭を掻いた。さらにこの日のミーティングでは、専門スタッフによる食事面などの指導も行われ、「『暴飲暴食するな』と。極真はとにかく『食え!』なので。“極真盛り”という言葉もあるぐらい。今も6合食べてる」と、“カルチャーショック”を受けた様子だった。

 ただ、東京五輪までは極真と五輪空手の“二刀流”でいく意志を固めており「それができたら成長できる」と、力を込めた。今合宿では全空連の選手と同部屋で過ごす。「仲良くなりたい」と、笑顔で意気込んだ。

 寸止めルールの全日本空手道連盟と、故大山倍達氏が創設したフルコンタクトの極真空手の国際空手道連盟極真会館は長らく絶縁状態だったが、15年4月に友好団体として協力する覚え書きを交わした。全空連が極真の主要団体と手を組むのは64年の創設以来初めてのことで、“歴史的和解”と呼ばれた。

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