稀勢の里、不安説を一蹴「1日1日充実」 二所ノ関一門連合稽古で14勝2敗

二所一門の合同稽古に参加した稀勢の里(左)=千葉県船橋市の二所ノ関部屋(撮影・村中拓久)
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 「大相撲夏場所」(14日初日、両国国技館)

 横綱稀勢の里(30)=田子ノ浦=が8日、千葉県船橋市の二所ノ関部屋で行われた恒例の二所ノ関一門連合稽古に参加し、十両琴恵光(25)=佐渡ケ嶽、平幕豪風(37)=尾車=を相手に16番取り、14勝2敗だった。

 春場所で重症を負った左上腕部、左大胸筋には大きなテーピング。前日は三役クラスとの相撲も解禁を示唆していたが、この日も平幕以下相手に患部の状態を確かめた。

 稽古はど迫力だった。琴恵光を左四つで組み止めると、存分に押させた上にパワフルに何度も寄り切った。「おらー、もっと力を入れろ」と物足りなさそうに吠えた。

 8連勝すると、琴恵光が息切れ。「すいません」と何度も頭を下げる相手を見切り、チェンジ。続く豪風には低い当たりに耐えきれず、2度、土俵を割る場面もあった。

 「いいと思います。しっかり自分の相撲を取れた。(左の使い方は)非常にいいと思う。番数より集中してやること」と、満足顔で振り返った。

 稀勢の里は初日に向け順調な段階を強調。ただ前日は追手風部屋に出稽古し、平幕大栄翔を相手に15番を取った。2日連続で自身より30キロ以上も軽い格下しか相手にしていない。通常なら弟弟子の関脇高安の猛烈な当たりを受ける真剣勝負で仕上げている。調整が遅れているのは否めない。

 「今までとはまた違うものが得られる気もするし、いいきっかけ、チャンス。今場所は(調整は)変わっているけど、1日1日充実している」と、周囲の不安説を一蹴した。

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