大橋悠依 東京へニューヒロイン現る! 日本新一気に3秒更新

 「競泳・日本選手権」(14日、日本ガイシプラザ)

 女子400メートル個人メドレー決勝で、東洋大4年の大橋悠依(21)が日本新記録となる4分31秒42を樹立し、初制覇した。2位の清水咲子(ミキハウス)が持っていた記録を3秒24更新し、リオデジャネイロ五輪銅メダルに相当する快記録で初の代表にも内定した。男子200メートル自由形決勝は、リオ五輪代表の萩野公介(22)=ブリヂストン=が1分47秒29をマークし、プロ転向後初優勝で5連覇を達成。非五輪種目の男子50メートル平泳ぎは小関也朱篤(ミキハウス)が27秒23、女子50メートル平泳ぎも鈴木聡美(ミキハウス)が30秒66でともに日本新を樹立した。

 2020年東京五輪に向けた“元年”。競泳界にニューヒロインが誕生した。21歳の大橋が400メートルを一人旅し、日本記録を大幅に上回る衝撃的な快泳で初優勝。「とにかく思い切ろうと前半からいった。タイムが出る予感はあったけど“やっぱり”と“びっくり”の両方がある」。リオ五輪銅メダルに相当する記録に思わず口を押さえた。

 身長173センチの痩身(そうしん)美女スイマー。一方で、折れそうなほどにナーバスで、指導する平井伯昌コーチが「気分屋」と称するほど練習ではムラがあった。武器の長い手足から繰り出す大きな泳ぎも「練習が苦手で、いかに疲れないか」(大橋)が発端という。それを鼓舞し続けたのも平井コーチで、お笑いDVDを見せたり、ジョークで心をほぐしながら、メンタル強化に腐心した。

 大学2年時には練習で泳ぎ込めない時期が続いた。何度も「辞めよう」と悩む日々が続いたが、半年後にたまたま病院に行ったところ貧血が判明。薬を飲んで回復し、戦線に復帰した。

 昨夏のリオ五輪出場を逃したことも自分を見つめ直す契機となった。「同じチームでは表彰台に上る選手もいるのに…と周りを気にしていた。でも、人がどうこうよりも自分の悪いところに向き合って、気分屋なところも変わってきた」

 精神面だけではない。4泳法の中で苦手だった平泳ぎは、東洋大を拠点にしていた北島康介ら“生きた教科書”を参考に改善。昨年はインカレで2冠を達成するなど飛躍を遂げた。今年2月にはスペインで自身初となる高地合宿で1日1万3000メートルを泳ぎ込んだ。

 もがきながら、ようやくつかんだ世界切符を無駄にはしない。「今日みたいなレベルで泳げば決勝やメダルにつながる」。この輝きを偶然ではなく必然にする。

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