柔道新ルール導入で春の珍事 “逃げ勝ち”ダメ!両者反則負けで勝者なし

 「柔道・全日本選抜体重別選手権」(2日、福岡国際センター)

 今夏の世界選手権(ブダペスト)代表選考会を兼ねて行われ、女子57キロ級1回戦の玉置桃(三井住友海上)と小野彰子(ベネシード)の試合では、「有効」廃止などの新ルール下で両者反則負けという珍事が起こった。男子90キロ級リオデジャネイロ五輪金メダルのベイカー茉秋(日本中央競馬会)は、1回戦の試合中に右肩を負傷し棄権負け。男子100キロ級は21歳のウルフ・アロン(東海大)が決勝でリオ五輪銅メダルの羽賀龍之介(旭化成)を破り、代表に初選出された。女子52キロ級の16歳のホープ阿部詩(兵庫・夙川学院高)は準決勝で敗退した。

 勝者がいない!?日本一を争う大会で「両者反則負け」という珍しい事態が起きた。女子57キロ級1回戦の玉置桃と小野彰子の試合はともに指導2つを累積したまま延長戦に突入。互いに攻め手を欠き、試合時間7分を超えたところで、両者ともに3つ目の指導が入った。勝ち名乗りなき決着にあぜんとする両者。準決勝は宇高菜絵(コマツ)の不戦勝となった。

 95年大会の男子95キロ超級準決勝で、小川直也と金野潤が両者反則負けになった例があるが、「過去1、2度しか見たことがない」(西田孝宏審判委員長)という異例決着。敗退の玉置は「両者反則負けがあると大会前に聞いてなかったので納得できない」と訴えたが、西田氏は「ルール上あり得ることなので問題ない」と説明した。

 引き金となったのは今年から導入された新ルールだ。従来は指導4つで反則負けだったものが3つに変更。審判が指導を取るタイミングも早まり、消極的な選手が反則負けになるケースが増えた。西田氏は「新ルールで同じケースが増える可能性はある。決勝なら優勝者なしになる」との見解を示した。

 ただ、ある関係者が「国際大会では審判が少しでも優劣をつけようと、延長戦ではどちらかにすぐ指導を入れるので起こり得ない」と強調したように、“逃げ勝つ”ことをよしとしない国内大会だからこそ起こった裁定とも言える。新ルールへの適応過程で起きた春の珍事。日本柔道界にとって一つの教訓となればいい。

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