照ノ富士、気迫にのまれた 手負いの横綱に連敗…古傷悪化も影響か

 「大相撲春場所・千秋楽」(26日、エディオンアリーナ大阪)

 新横綱稀勢の里(30)=田子ノ浦=が奇跡の逆転優勝を飾った。13日目に左肩周辺を負傷しながら強行出場。1差で追走していた大関照ノ富士(25)=伊勢ケ浜=を突き落として2敗で並ぶと、優勝決定戦では小手投げで仕留め、2場所連続2度目の優勝を決めた。

 稀勢の里の気迫にのみ込まれた。単独トップに立ち、2度目の優勝に王手をかけて臨んだ照ノ富士だが、本割、優勝決定戦とよもやの連敗。持ち前の豪快さは影を潜め、硬くなって足が出なかった。

 相手は手負いの新横綱。やりづらさを問われると、「特にない。自分の問題です」と首を振り、「みんな目に見えないつらさがある。それを表に出すか、出さないかだけ」。自身も古傷の両膝の状態が思わしくなかったことを示唆した。

 照ノ富士にも稀勢の里と同様の経験がある。単独トップで迎えた27年秋場所13日目、稀勢の里に寄り倒しで敗れ、その際に右膝靱(じん)帯を損傷する重傷を負った。その後、強行出場したものの優勝を逃し、さらに古傷の左膝とともに状態を悪化させた。けがの影響もあり、ここ数場所は2桁大敗と、かど番8勝勝ち越しの繰り返し。「怪物」と呼ばれた面影はみじんもなかった。

 ようやく見せた復活の兆し。9場所ぶりに2桁星を挙げ、「ま、来場所頑張るだけです」と前を向く。最後は取組ですりむいた右膝を指さし、「やっと目に見えるけがになりましたね。目に見えることしか、やっぱり分からないね」と冗談めかし、笑顔で場所を後にした。

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