美誠「上見過ぎた」まさか5回戦敗退 思わぬ難敵に対策間に合わず

 「卓球・全日本選手権」(20日、東京体育館)

 女子シングルス5回戦で、リオデジャネイロ五輪団体銅メダルの伊藤美誠(16)=スターツ=は、安藤みなみ(専大)に2-4で敗れた。16年女子W杯覇者の平野美宇(16)=エリートアカデミー、4連覇を目指す石川佳純(全農)は2試合に勝って準々決勝進出。男子シングルスは水谷隼(ビーコン・ラボ)が16強入りし、リオ五輪代表の丹羽孝希(明大)、吉村真晴(名古屋ダイハツ)は6回戦で姿を消した。

 まさかの敗退に、伊藤は思わずその場にしゃがみ込んだ。「優勝を狙っていたので悔しいというか、もったいない」。ジュニアの部やダブルスにも出場せず、シングルスに専念していただけにショックは大きかった。

 32強、8強、4強と年々成績を上げてきた16歳。初の五輪を経て、今年は史上最年少での優勝を期していたが、思わぬ難敵に足をすくわれた。相手は初対戦で「異質攻撃型」と呼ばれるプレースタイル。ラケットの表と裏で異なるラバーの変則型に対し、対策が十分でなかった。

 「優勝を目指して、石川さんとか(平野)美宇ちゃんとかの対策をしてきたけど、上を見過ぎたかもしれない。そこ(決勝)に行かないと意味がないので、序盤の相手の対策もしないといけない」

 第1ゲームを11-3と快調に奪ったことがあだとなった。「2ゲーム目もこのまま決められるかなと思った」。相手に慣れられると打ちミスを誘発されたが、修正が利かない。

 「球の回転(対策)や戦術変更もうまくいかず、同じ展開で負けた。もっと考えを広げないといけない」

 この宿題は国際舞台につながる。今年の世界選手権(5~6月、デュッセルドルフ)の代表入りは決まっており「ワールドツアーにも出るので、それに向けて頑張りたい」と前を向いた。

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