中田有紀、七種競技の女王返り咲き狙う

 女子七種競技の日本記録(5962点)保持者で、2004年のアテネ五輪に出場した中田有紀(39)=日本保育サービス(名古屋市)=が、11、12日に長野市営陸上競技場で行われる混成競技の日本陸上競技選手権大会に出場する。02~10年の9連覇達成以来、6年ぶり10度目の女王返り咲きを狙う。

 2日がかりで合計7つの競技を行う過酷な七種競技。20歳代で現役を退く選手が多い中、40歳を目前にして続ける陸上界の鉄人、それが中田だ。ただ続けることだけが目的ならば、競技は続けられないという。「日々、前向きにチャレンジし、練習を積み続けて、やっとトップレベルでの競技が続けられる」。昨日の自分を超えようとする気持ちが中田を支えている。

 08年、同じ箇所の故障を繰り返した中田は練習方法を見直し、プロ野球・中日の岩瀬らが通う鳥取市のジム「ワールドウィング」へ通い始めた。トレーニングが効果を出し、30歳を過ぎても伸ばせる能力があることが分かった。それ以来、ジムで体の状態を見てもらう以外は、指導者を置かず、1人で練習している。

 曜日や使用できる施設に応じて種目を選び、陸上漬けの毎日を過ごす。普段は朝食後に岐阜県内のグラウンドへ。車中では体調や天気を考えながら、大まかに決めてあった練習内容を「涼しいからスプリントを少し増やそう」などと練り直す。グラウンドで約2時間、走りを中心に練習。昼食をとり、再びジムトレーニング。それが終わると小学生対象の陸上スクールで指導にあたり、自宅へ帰る。

 競技を始めた頃から、ライバルは自分自身だった。それは今も同じ。日本記録を樹立し、五輪出場を果たした04年以降、誰もその記録を超えていないが、中田自身も超えられていない。

 昨年の日本選手権では、調子は良かったがピークを合わせられず、「中京大2年で初出場した頃以来」という5000点割れ。反省を生かし、今年はベストの状態で大会へ入るよう調整している。「今は走り高跳びの調子がいい。もちろん優勝を目指している」。練習を積めているから、自信がある。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス