近藤 延長戦制しリオ切符獲得

 「柔道・全日本選抜体重別選手権」(3日、福岡国際センター)

 男女計7階級が行われ、注目の女子48キロ級は近藤亜美(20)=三井住友海上=が制してリオ五輪代表に初選出された。ライバルの浅見八瑠奈(27)=コマツ=は1回戦で敗れた。男子73キロ級は昨年の世界選手権覇者、大野将平(24)=旭化成=が優勝し、初の五輪代表入りを決めた。この日発表された男女6階級12人の代表選手は4日に記者会見を行う。男女とも最重量級の代表は全日本選手権(男子29日、女子17日)後に発表される。

 20歳より幼く見える笑顔が畳の上では別人になる。ゴールデンスコア方式の延長戦までもつれこんだ女子48キロ級決勝。近藤はともえ投げで「有効」を奪うと右こぶしでガッツポーズを見せた。「本当にうれしかった」。大一番で得たのは、初の五輪切符と「攻めの柔道を貫けば投げることもできるし、勝つこともできる」という確信だった。

 長年しのぎを削ってきた浅見は初戦敗退。直接対決で決着をつけられなかったからこそ、最後まで勝ち続ける必要があった。「自分が優勝することで(実力を)示したかった」。最大の敵は自分だ。

 2014年に世界選手権を制したが、その後は「プレッシャーに押しつぶされた」と言う。しかし、親交のある女子レスリング48キロ級のリオ五輪代表、登坂絵莉(至学館大)から「そういうのも背負って戦わないといけない」と助言を受けた。世界選手権3連覇の友人の言葉で「重荷に感じるんじゃなく、強気で戦う意識になった」と振り返る。

 アテネと北京で金メダルを獲得した“女三四郎”谷本歩実らを輩出した愛知県大府市の大石道場出身。初めて五輪を意識したのは「谷本さんが金メダルを持って道場に来てくれた時。触らせてもらったら、特別重いわけじゃないけど輝いていた」と少女の目にまぶしく映った。

 柔道ニッポンの復活が懸かるリオで「先輩たちが築いてくれたものを背負えるのは光栄です。一生懸命背負います」。次世代の“女三四郎”が、覚悟を決めた。

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