御嶽海新入幕で連勝 ザンバラ髪旋風だ

 「大相撲九州場所2日目」(9日、福岡国際センター)

 幕下付け出しから所要4場所のスピード出世で新入幕を決めた御嶽海が、三役経験者の高安を一気の押し出しで破って2連勝。長野県から応援に駆け付けた両親の前で会心の相撲を見せた。13年9月の遠藤、14年9月の逸ノ城に続いて、ザンバラ髪旋風を巻き起こそうとしている。小結嘉風は大関稀勢の里を下して連日の大物食い。連続休場明けの横綱日馬富士、右膝を痛めている大関照ノ富士は早くも土がついた。

 出世の速さもすごいが、土俵の上で勝負を決めるスピードも負けていない。新入幕の御嶽海が得意の突き押しで高安を圧倒。頭から低く鋭く当たって高安の右かち上げを封じ、すかさず左ノド輪で起こすと、わずか3秒2で土俵外へ運んだ。

 平成生まれの力士で初めて三役に昇進した実力者に快勝。「しっかり当たれたし、左が伸びたのも良かったと思います。少し自信になりました」と、連勝発進に満足そうな表情で振り返った。

 マス席では初日に続いて長野県から応援に駆け付けた父・春男さんと母・マルゲリータさんが観戦。春男さんは立派な幕内力士に成長した姿に「皆さんの応援を力にして自分の相撲を取れている。九州に来ても声援が多くて、本当にありがたいです」と目を細めた。

 場所前の稽古では関脇栃煌山らの胸を借りて、上位力士との力の差を痛感させられた。しかし、その経験を本場所の土俵で生かし、「やるしかないという気持ちで集中できていると思う」と、本番に強いタイプらしく伸び伸びと実力を出し切っている。

 スピード出世に髪の伸びが追いつかず、マゲを結うのは12月の初場所番付発表の前になる予定。ザンバラ髪のホープが博多の土俵で大暴れする。

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