初出場の梅木が金 無尽蔵のスタミナ

 「世界柔道選手権」(28日、アスタナ)

 男女計3階級が行われ、女子78キロ級の梅木真美(20)=環太平洋大=が初出場優勝を飾った。決勝で昨年3位のアナマリ・ベレンセク(スロベニア)に一本勝ちした。

 この階級の日本選手の優勝は、世界選手権を2003年まで4連覇し、04年アテネ五輪でも金メダルを獲得した阿武教子以来。今大会の日本の金メダルは女子が3個、男子が2個で計5個となった。

 派手さはなくても、堂々の闘いで梅木が頂点まで駆け上がった。日本の層が薄い女子78キロ級で、初代表ながら無尽蔵のスタミナと足腰の強さを武器に自分のスタイルを貫く強さがあった。

 準決勝でポゴジェレツ(ポーランド)に一本勝ちすると、決勝では世界ランク3位のベレンセクと延長にもつれ込んだものの横四方固めで仕留めた。「来年の五輪につながる大会。与えられたチャンスを生かしたい」と胸に刻み、しっかり組んだら慌てず、真っ向勝負を挑んだ。

 1992年バルセロナ五輪王者の古賀総監督が指導する秘蔵っ子だ。「俺と一緒に世界一になろう」と口説かれ、環太平洋大へ進学。豊富な試合数で経験を積み、自然と人一倍の体力も培われた。初戦から力と技が一体となった柔道で圧力をかけ、相手を根負けさせた。

 小学校では綱引きクラブで足腰を鍛えた。熊本・阿蘇中央高1年で全国高校総体を制覇。世界ジュニア女王も経験し、174センチの長身で威力ある大外刈りや内股を秘めている。実家は畜産業で牛40頭を飼う環境で育ったという。人見知りの性格で周囲から「猛牛になれ」と言われることも。古賀総監督は「猛牛でなく、闘牛になれ」と奮起を促してきた。

 技術は粗削りながら「気持ちだけは絶対に負けない」。静かな闘志を胸に着実に成長するホープが初めて挑んだ舞台で力を出し切り、頂点に立った。

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