白井誓った 五輪金へ飛躍の4年に
体操の13年世界選手権種目別床運動金メダリストの白井健三(18)が3日、日体大の入学式に出席し、新入生約1700人を代表してあいさつした。16年リオ五輪、20年東京五輪にエースとして期待がかかる若武者は、偉大な先輩、内村航平(26)=コナミ=のように、飛躍の4年間にすると誓った。大相撲の鳴戸親方(32)=元大関琴欧洲、本名安藤カロヤン=も同大学の3年生に編入学した。
つぶらな瞳のワンダーボーイが、門出の日に18歳とは思えない力強い誓いを立てた。
4年間は、エースとなるための4年か、との質問にうなずいた。「こういうすごくいい環境で、練習も自分で決めて、やりたいことがやれる。1日1日を後悔しないように練習して、結果的にトップにいけるようになればいいなと思います」
現在の“絶対王者”内村は大学2年時に北京五輪に出場。3年時に初めて世界選手権個人総合を制覇し、そこから5連覇。かつて王者が通った成長曲線に自らの未来を重ねた。
3月中旬に入寮し、既に大学の練習にも参加している。寮は各学年1人ずつの4人部屋で、1年生には家事などの仕事が割り振られる。まず白井に与えられた仕事は炊飯係。これまで実家で米をといだことはない。それでも「教えてもらったので大丈夫。究極のご飯を炊きますよ。ボタンを押すだけですけど」と、初めての共同生活にも順応しつつある。
午後には横浜市内の日体大健志台キャンパスで公開練習に臨み、得意の床、跳馬だけでなく、他の4種目も練習。全体練習後の自主練習も行い、補強トレーニングを行った。内村らを指導した畠田好章監督は「やりたいことだけじゃなく、6種目きっちり全部やる。本番に強い子があれだけコツコツやれば、失敗しない。内村でもこの時期、ああいう練習はしてなかった」と、そのストイックな姿勢に舌を巻いた。
入学式後、三越から同大に寄贈されたという「またがると1つだけ願いが叶う」ライオン像に乗り、同じ新入生の村上、鳴戸親方、スキージャンプ高梨沙羅、日体大教員の田中理恵さんらと記念撮影。「何も願ってませんよ」と笑ったが、“百獣の王”の上から、白井のキングへの挑戦が始まった。