体操白井7年後に栄光の架橋を架ける

 体操ニッポンの未来を担う逸材が、堂々の“エース襲名宣言”だ。2020年東京五輪開催が決定をしたことを受け、30日に開幕する世界選手権(アントワープ)に男子史上最年少で代表入りを果たした白井健三(17)=岸根高=がデイリースポーツの単独インタビューに応じ、7年後への思いを語った。現在の絶対エース、内村航平(コナミ)が、ロンドン五輪で金メダルを獲得した時と同じ23歳で迎える母国での夢舞台。お家芸の大黒柱として、日本に再び“栄光の架橋”を架ける。

 きりりとした眉が、そのりりしさを増した。20年東京五輪開催が決定。来るべき母国開催の五輪で、体操ニッポンの大黒柱を担うであろう17歳、白井は眠い目をこすりながら、その瞬間を目に焼き付けた。「ライブ映像を焼き付けておきたかった。選手として頂点で迎える大会。日本チームを引っ張れる存在になっていたい」。そして7年後、夢舞台に立つ自分をしっかりとイメージした。

 あの絶対エース内村航平が“嫉妬”するほどの逸材だ。6月の全日本種目別では、床で後方宙返り4回ひねりを決め、ロンドン五輪種目別の銀メダルに相当する得点で優勝。その驚異的なひねり技に、内村も「種目別はたぶん勝てない。憎たらしいです」と脱帽する。

 30日に開幕する世界選手権では、種目別の床で金メダルの期待が懸かるほか、跳馬では成功させれば「シライ」の名が付く伸身ユルチェンコ3回ひねりに挑む。床と跳馬ではまだ難度を上げることも可能。「技に自分の名前をつけたいとかは、まだ思ってないです。ただ、自分の限界に挑戦していきたい」。身長160センチ、体重51キロの体には、まだまだ無限の可能性が秘められている。

 最終的な目標は、内村のような万能王者だ。「航平さんのようになりたい。個人総合の王者に‐。あの人は本当に体操を独り占めしてる。僕もそうなりたい」。床と跳馬以外は、まだ日本代表レベルに及ばない。ただ、大学に入学する2年後からは個人総合に本格的に挑戦する予定。3年後のリオデジャネイロ五輪、そして、7年後の東京五輪に向けて、絶対エースの背中を追いかけ、そして追い抜く覚悟だ。

 20年、白井は23歳で東京五輪を迎える。それはロンドン五輪で内村が、金メダルを手にした時の年齢と同じだ。「7年前はここまでこれると思ってなかった。だからここからの7年は本当に楽しみなんです」。誰もが認める“エース”になるための長い道のり。その終着点を見据え、まだあどけなさの残る瞳に、野心の炎をともした。

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