逆転!逆転!逆転!錦織3連覇に王手

 「テニス・メンフィス・オープン・準決勝」(14日、メンフィス)

 シングルスで3連覇を狙う第1シードの錦織圭(25)=日清食品=は準決勝で世界ランキング41位のサム・クエリー(27)=米国=に5-7、7-6、7-6で逆転勝ちし、15日の決勝に進んだ。第1セットを落とした錦織は、サーブが安定した第2セットをタイブレークの末に奪い、第3セットも再びタイブレークで競り勝った。決勝では第2シードのケビン・アンダーソン(28)=南アフリカ=と対戦する。

 合計で27本のサービスエースを浴びた。それでも錦織は耐えて、逆転のきっかけを探り続けた。2時間41分に及んだ熱戦を制し「集中力を切らさずに一つのチャンスを待つことができた」。精神力の勝利だった。

 第2セットに続いてもつれ込んだ第3セットのタイブレーク。2-4と先行されたが「自分からミスをしてはいけない場面。リスクを冒さずにプレーした」と冷静だった。そこから4連続ポイントで盛り返した。

 今大会はサーブの調子に波があり、ストロークも本調子からは遠い。第2セット途中には左足小指の治療を受けた。「大丈夫。問題ない」と話したが、プレー中には足だけでなく腹筋を気にするしぐさも出た。3試合連続のフルセットの逆転勝ちで疲労はたまっているはず。世界ランキング5位のプライドが足を動かしている。

 自身ツアー初の同一大会3連覇まであと1勝。「気負いはない。まあ、できなくても」とタイトルへの執着はない。決勝でも目の前のポイントを一つずつ積み重ねることしか考えていない。

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