錦織ファイナル進出!アジア男子初快挙

 「男子テニス・マスターズパリ大会」(10月31日、パリ)

 シングルス準々決勝が行われ、第6シードの錦織圭(24)=日清食品=が第4シードのダビド・フェレール(スペイン)に逆転勝ちして4強入りし、年間成績などの上位8人で争われるシーズン最終戦のATPツアー・ファイナル(11月9~16日・ロンドン)出場を決めた。シングルスでアジア選手がファイナルの出場権を獲得するのは初めて。4強入りしたミロシュ・ラオニッチ(カナダ)とトマーシュ・ベルディハ(チェコ)を合わせ、最終戦に進出する8人が確定した。

 驚異的な粘りだった。錦織は第2セットのタイブレークで土壇場の2-5から「カムバックできると信じていた」と5連続得点で盛り返し、3試合連続のフルセットで3時間近い激闘を制した。決着がついたのは日付が変わった未明の午前0時35分。悲願のファイナル進出を達成し「自分自身を誇りに思う」と充実感に浸った。

 パリのハードコートは球足が遅く、無尽蔵のスタミナと俊敏さを持つフェレールとは予想した通りの激しい打ち合いとなったが、ラリーで根負けしなかった。ベースラインの内側に踏み込んで左右への深い返球で相手を揺さぶり、絶妙なドロップショットや機を見たネットプレーも織り交ぜるなど、最後まで攻めの姿勢を貫いた。

 フルセットにもつれ込んだゲームでは、この1年で勝率9割を超える。肉体強化が結実し「体力的にも成長した」と自信を持つ錦織は動きとショットの精度で完全に相手を上回っていた。フェデラー(スイス)が「彼は特異な才能がある」と称賛するほどだった。

 最終戦は賞金総額が約600万ドル(約6億7200万円)と破格。無敗で優勝した選手は192万ドル(約2億1500万円)を獲得できる。「トップ選手との真剣勝負」に燃える錦織にとって、ツアー4勝と躍進した今季総決算の戦いの場となる。

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