海老沼3連覇 決勝は強敵に一本勝ち

 「柔道世界選手権・第2日」(26日、チェリャビンスク)

 男子66キロ級で海老沼匡(24)=パーク24=が決勝でミハイル・プリャエフ(ロシア)に内股を決めて一本勝ちし、3連覇を果たした。初出場の高市賢悟(21)=東海大=は準決勝と3位決定戦で敗れ、5位だった。日本男子では藤猪省三が1970年代に中量級などで達成した4連覇が最多。3連覇以上は2003年まで3大会を制した100キロ級の井上康生以来、5人目となる。女子52キロ級で昨年3位の橋本優貴(コマツ)は準々決勝で一本負け。敗者復活戦も敗れてメダルを逃した。

 小走りで軽快に畳へ向かう背中に、前年覇者が着ける真っ赤なゼッケンが輝く。男子66キロ級の海老沼がまたも大舞台で躍動。文句なしの3連覇だ。

 世界ランク6位の海老沼に対し、相手は同2位のプリャエフ。最後に迎えた最大の難関を、切れ味抜群の技で突破した。組み手を制し、1分52秒に左内股を一閃(いっせん)。地元の大観衆を黙らせた。派手に喜ぶことなく、淡々とした姿は古武士のたたずまいだ。

 延長戦で6分11秒に及んだ強敵ザンタラヤとの準々決勝を制し、勢いに乗った。道場には誰よりも早く来て、最後まで残る。無類の稽古熱心でスタミナを養った。現地入り直後の22日夜、日本男子の井上監督に強く背中を押された。「おまえはチャンピオンとしてふさわしい技術、心がある」。言葉に胸を奮わせ、期待に応えた。

 5月にパリで約3週間の単独武者修行。楽しむように練習するフランスの選手たちを見て闘志がいっそう湧いた。「世界で一番練習しているのは、やっぱり日本だ。絶対に負けたくない」と発祥国の誇りをにじませた。

 日本の男子軽量級では初の3連覇。「表彰台で国歌を聴き、本当に五輪で金メダルを取りたいと思った。もっともっと強くなりたい」。26歳で迎える次の五輪へ走り続ける。

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