碧山、涙の初金星「うれしさが大きい」

 「大相撲秋場所4日目」(18日、両国国技館)

 碧山(あおいやま)が巨体を揺らし男泣きした。前師匠の急死と部屋の転籍を経た苦労人が、結びで横綱日馬富士を押し出しで破り、自身初の金星を獲得。土俵上で感極まった。2敗の日馬富士が優勝争いから大きく後退する一方、横綱白鵬は隠岐の海を寄り切って無敗をキープ。大関陣では鶴竜と琴奨菊が敗れ、全勝は琴欧洲だけになった。平幕では旭天鵬、嘉風が4連勝。注目の新入幕遠藤は玉鷲を押し出し3勝目を挙げた。

 初めての体験だった。座布団が乱舞する中、碧山は無意識に神に感謝をささげるため、右手の人さし指を天に向けた。ブルガリア出身の青い瞳から涙があふれた。初めての金星。「関取になった時も涙は出なかったのに。うれしさが大きいと、どんな強い人でも涙が出るんですね」。涙を拭って勝ち名乗りを受けた。

 日馬富士に立ち遅れ、土俵際まで一気に押し込まれた。それでも身長192センチ、体重193キロの巨漢は、腕周り62センチ、握力86キロの怪力で小手を振って形勢逆転。体勢が崩れた横綱を押し出した。

 昨年2月、師匠だった先代田子ノ浦親方(元幕内久島海)が急逝。春日野部屋に転籍した。同年秋場所に新小結に昇進したが、以降は左膝の故障で苦戦。8月の前師匠の月命日には、仏前に手を合わせ、おかみさんだった妻・久島綾子さんから「ケガしないように頑張って」と励まされた。

 「今の師匠(春日野親方=元関脇栃乃和歌)や(先代)田子ノ浦親方、おかみさんが喜んでくれると思う。あとは家族ですね」と、しみじみ語った。

 次の相手は白鵬。春日野部屋は場所中でも申し合いを行うなど、猛稽古が有名で「明日も稽古がある。今日は考えたくない」と真顔で話したが、国技館から引き揚げる際、ファンから祝福されると「今から稽古ができそう。四股踏みますか」と笑った。連日の金星奪取へ、気持ちを高ぶらせた。

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