ボルト、9秒77で貫禄V 3冠に意欲

 「世界陸上・男子100M」(11日、モスクワ)

 男子100メートル決勝で五輪2大会連続短距離3冠のウサイン・ボルト(26)=ジャマイカ=が向かい風0・3メートルで9秒77の今季自己最高をマークし、2大会ぶり2度目の優勝を果たした。女子1万メートルは新谷仁美(25)=ユニバーサルエンターテインメント=が30分56秒70の自己ベストで5位に入賞、ティルネッシュ・ディババ(エチオピア)が3度目の優勝。男子の20キロ競歩は西塔拓己(20)=東洋大=が1時間22分9秒で競歩では五輪、世界選手権を通じて日本勢過去最高に並ぶ6位に入った。

 主役の座は譲らなかった。降りしきる雨を切り裂くように覇権奪回のゴールを駆け抜けると、ボルトは「まだ200メートルも400メートルリレーも残っている。さらに金メダルを集め、伝説となるため走り続ける」と鋭い目つきで3冠に意欲を示した。

 今季、短距離界はドーピング問題に揺れる。前世界記録保持者のアサファ・パウエル(ジャマイカ)やタイソン・ゲイ(米国)ら有力選手が相次いで陽性反応を示した。陸上界の看板を背負う存在として「人々がドーピングを忘れるような舞台にしたい」と臨んだ大会で、まずは1冠だ。

 決勝ではジャスティン・ガトリン(米国)と中盤まで激しく競り合った。アテネ五輪覇者のガトリンは、2度目のドーピング違反で永久失格の可能性もあったが、調査協力などを条件に4年の資格停止で復帰。雨の中、もがくように走ったボルトの姿に意地がにじんだ。

 準決勝の後に脚に「少し痛みがあった」といい、決勝前は入念にマッサージを受けた。体調面の不安を吹き飛ばし、再び絶対的な存在感を見せつける。

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