伊達、セリーナに完敗 観客からは拍手

 「ウィンブルドン・第6日」(29日、ロンドン)

 女子シングルス3回戦で42歳のクルム伊達公子(エステティックTBC)は2連覇を目指す第1シードのセリーナ・ウィリアムズ(米国)に2‐6、0‐6で屈し、四大大会で2008年の現役復帰後初のベスト16入りはならなかった。男子シングルス3回戦では第12シードの錦織圭(23)=日清食品=が第23シードのアンドレアス・セッピ(イタリア)に逆転負けし、初の4回戦進出はならなかった。これで、シングルスの日本選手は全て敗退した。

 奪えたゲームはわずか二つ。S・ウィリアムズへの挑戦は1時間1分で幕を閉じたが、総立ちのセンターコートの観客からは勝者と同様の称賛の拍手が送られた。円熟味あふれるプレーを見せた伊達は「スコア以上に可能性を感じられる、内容がある試合だった」と胸を張った。

 17年前の準決勝で、当時世界ランキング1位のグラフ(ドイツ)と2日がかりの大熱戦を演じて屈した思い出のコート。「運が回ってきたのも何かの縁」。弾丸のようなサーブに必死で食らい付き、得意の芝の舞台で相手の強打を何度も巧みにカウンター気味に切り返した。

 第1セットの第7ゲームで40‐30の劣勢から最強女王のサービスゲームをブレークすると、昔のこともよく知るファンから、この日一番の大喝采を浴びた。

 2008年の現役復帰後、ウィンブルドンで初めて3回戦に。「1、2回戦を勝ち抜くのは10代、20代でも大変。(4強入りして)17年のブランクがあって、42歳の私が実現できた」。敗れはしたものの、テニスの聖地に確かな足跡を残した。

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