前半戦MVPは岡田&丸!後半戦キーマンはジョンソン

 前半戦最後の9連戦を5勝3敗1分の五分で終えたカープは、2位・阪神に8差をつけてリーグ連覇を目指す後半戦に臨むことになった。最初の巨人戦(4~6日・マツダ)で2試合連続完封負けを喫したことを思えば、この数字は上出来だと考えられる。最初の巨人戦は16失点、続くヤクルト戦が15失点と投手陣が苦しんだのが目立った。特に、3敗中2敗を喫した岡田の不安定さはやや心配。8勝目にリーチをかけてからの3試合で脆さを露呈している。球宴に出場するが、何とか後半戦まで修正してほしい。

 とはいえ、私はその岡田を前半戦の投手MVPに推す。4月1日の開幕2戦目で4回KOというスタートながら、徐々に立て直して7勝をマーク。開幕投手のジョンソンが咽頭炎からの体調不良で2カ月以上戦線を離脱する中、一度も先発ローテーションを外れずにその座を守った。6月のセ・パ交流戦では週の真ん中に登板し、長いイニングを投げて中継ぎ陣を休ませる役目を任され、期待に応えた。プロ2年目でも、先発ローテの一員としては実質的に今年が初めて。その意味でも「よく頑張った」という評価をしてあげたい。

 打撃陣に目を転じると、昨年同様、いや昨年以上の攻撃力を見せつけている。1、2番の“タナキク”は昨年より見劣るが、続く3番・丸がその分をカバーして余りある活躍をした。ここぞという場面での一発を含めた勝負強さは群を抜いていた。新井の後を任せれて4番に座る鈴木も丸の存在があってこそだと思う。野手のMVPは文句なくこの丸だろう。

 前半の戦いを総括すれば「予想以上によく戦っている」ということになる。精神的支柱だった黒田が現役を引退、さらにジョンソンや中崎といった主力投手が故障で出遅れた。他球団もカープの連覇阻止に向けて戦力補強をする中、こちらはほぼ現状維持の形でシーズンに入った。それを考えると、球宴までの「前半戦は忍耐と我慢」と思った。だが、結果は昨年以上。こちらが思っている以上に選手個々がレベルアップしていたということを実感させられた。

 勝負事だから今後何が起こるかわからない。今現在2位に大差をつけているとはいえ、油断すれば痛い目に遭う。気を引き締めて後半戦に臨む必要があるが、特に頑張ってほしいのが左腕エース・ジョンソン。球宴前最後のDeNA14回戦(12日・マツダ)で8回1失点の好投を見せた。前半戦は若い投手が彼の穴を埋めたが、今度は彼がチームに貢献する番だ。後半戦だけで二桁勝つぐらいの気持ちでマウンドに上がってほしい。言わずと知れた昨年の沢村賞投手。登板時は1イニングでも長く投げることを胸に刻み、投手陣を引っ張ってもらいたい。彼が昨年並みの状態に戻れば、リーグ連覇のゴールも早々に見えてくるのだから-。

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