「カーネクスト　２０２３　ＷＢＣ１次ラウンド　東京プール、日本代表７－１オーストラリア代表」（１２日、東京ドーム）

　正遊撃手の思いも背負って、今、グラウンドで戦っている。２試合連続「８番・遊撃」で起用された中野が１安打１四球の２出塁。３試合連続出塁＆得点と勝利に貢献した。

　「出塁が自分の役割だと思う。自分が塁に出れば、今、上位打線も非常に当たっていると思うので、得点が一気に入るなと感じている。なんとか塁に出ることに集中してます」

　３点リードの二回先頭。ウィルキンスのスライダーを左前打とすると、続く中村の打席ではカウント２－１から二盗に成功。初球、２球目はバントのサインだったが、ボールになったことでベンチからはグリーンライトのサインが出ていた。「投手のモーションが大きいなというのは自分でも分かっていたので行きました」と振り返る。

　アップ前には源田と２人で話し込む姿が見られた。先輩の言葉に必死に耳を傾ける。「師匠です」と守備の名手に尊敬のまなざしを向ける中野だが、右手を負傷して出場できない先輩の言葉、姿が戦う理由になっている。

　「源田さんがああいう形になって、自分自身（遊撃を）任された部分もあります。源田さんが（負傷で）出られないという思いをしっかり受け継いでいます。“頑張れ”とも言ってもらいました」

　前夜、悪送球で失策した時もベンチでそばに寄り添ってくれたのは源田だった。「源田さんができない分、しっかりと活躍しないといけない」。正遊撃手不在のピンチは、自分が救うしかない。侍の遊撃手を任される以上、全力プレーに徹する。