中田先制打&マルチで先発起用に応えた

 「WBC・1次ラウンドA組、日本5‐2中国」(3日、ヤフオク)

 侍ジャパンが中国を下して2連勝。上位2チームが進む2次ラウンド(8~12日・東京ドーム)に王手をかけた。二回に中田翔内野手(23)=日本ハム=の左前打で1点を先制。五回には糸井嘉男外野手(31)=オリックス=の3点二塁打などで4点を加え、勝負の流れを呼び込んだ。先発した前田健太投手(24)=広島=も5回無失点と好投した。4日にキューバが中国に勝てば、日本とキューバの2位以上が確定。ともに2次R進出が決まる。

 悔しさはバットで払った。中田のWBC初打席は、日本最初の好機。同点で迎えた二回2死二塁だった。1ストライクから高め直球を捉えると、打球は左前へと抜ける。初安打にして、初打点。先発起用に応える一発回答の先制打だった。

 第2打席でも左前打し、マルチ安打を記録。「アピールしないといけない立場。ガムシャラに行こうと思っていました」。開幕前の6試合すべてに先発していたが、2日のブラジル戦はスタメン落ちした。29日の強化試合・巨人戦で左膝に自打球を当てていたが、言い訳は一切しなかった。

 「自打球のせいじゃなく、試合に出られなかったのは実力の問題だと思います。前も後ろもすごい選手。つなぎ役に徹して、コンパクトにやっていこうと思った」。かつて山本監督からヤンチャボウズと呼ばれた青年は、侍へと成長を遂げた。

 合宿では立浪打撃コーチからマンツーマンで打撃指導を受けた。体が突っ込みすぎないよう、足を上げる打撃フォームからすり足へと修正。新たな打撃法は「まだ自分のものにできていない」。それでも恩返しの気持ちで結果を求める。

 「立浪さんがつきっきりで教えてくれた。自分にとっては雲の上の方。喜ばせたい気持ちが強かった」。立浪コーチは「結果が出ることで変わってくるでしょう」と今後に期待する。中田もスタメンの座は譲れない。

 会いたい選手がいる。ベネズエラ代表のミゲル・カブレラだ。開幕前、「ワクワクしている気持ちが強いです。カブレラ選手を見てみたい」と胸を躍らせた。昨季のメジャー3冠王と戦うためには決勝ラウンドに行く必要がある。アメリカの地を踏むまで立ち止まっている暇はない。

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