徳島・竹内「気持ちが球威を作る」を胸に NPB入り目指して全力で腕を振る

 【徳島・竹内裕太投手】文=高田博史

 徳島の開幕戦となった対香川前期1回戦(4月1日、鳴門オロナミンC)先発マウンドを託されたのは、新入団の竹内裕太だった。

 だが、先頭打者への初球、143キロのストレートがヘルメットをかすめる。伊達球審は危険球による退場を宣告し、そのままマウンドを降りた。

 この出塁をきっかけに香川が2点を先制する。徳島は5対6で敗れ、結果的に竹内が敗戦投手となった。初回の先頭打者に対して投げた、1球で負けが付いた投手は、アイランドリーグの歴史を振り返ってみてもちょっと見当たらない。

 「申し訳ないっていうか。自分のせいだなっていう気持ちはありましたね」

 大事な開幕戦で、ゲームの流れを悪くしてしまった。先発投手の責任を痛感するマウンドとなった。

 しかし、徐々に本来の実力を発揮し始める。ここまで6試合に登板し、白星こそないものの、防御率は1点台をキープしている。

 対高知前期1回戦(21日、高知)では4者連続三振を含む8個の三振を奪い、ネット裏の関係者をうならせた。振りかぶって投げる173センチの小柄な体が、数字以上に大きく見える。

 「しっかり腕振って。投げっぷりの良さは自分のなかで大事にしてますね。そんなに身長が高くないので、全身使って投げていかないと。とにかく全力で、とはずっと思ってます」

 座右の銘である『気持ちが球威を作る』は、自分で考えた言葉だ。ピンチの場面や試合終盤の苦しい場面で支えになるものは、技術ではないと考えている。

 「じゃあ何に頼る?って言ったら、自分の精神面とか気持ちだと思うので。そこでバッターに向かっていって、少しでも押されてくれれば抑えられるかもしれませんし。気持ちが球威みたいなものを作ってくれるのかなと思います」

 球児である中3の弟、和将君からよくアドバイスを求められるのだそうだ。四国で投げる兄の姿は、弟にとって一つの目標である。

 実家を出るとき、弟から「どうせ行くなら、プロになって欲しいな」と言われた。その言葉が耳の奥に、ずっと残っている。

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