徳島・石井貴監督 人間として成長して1人でも多くNPBにアピールする選手を
【徳島・石井貴監督】文=高田博史
徳島・石井貴新監督(元西武)が選手たちに向け、最初のメッセージを送る。
「このなかから1人でも多く、スカウトにアピールしていく。この徳島で、人間として成長してもらって。当然、男としてもね。闘う姿勢をみんな、前面に出してもらって、頑張っていきましょう。よろしく!」
2月1日の合同自主トレ初日は、雨に雪が交じるあいにくの天候となった。翌2日、鳴門市内の練習グラウンドで、ボールを使った練習を行っている。石井監督もノッカーに、打撃投手にと忙しい。
「久々にノックもやってね。ライオンズ時代にもやってましたけど。ちょっと疲れたなあと(笑)。いい汗かけたって感じです」
昨年12月5日の監督就任会見から「監督というより、コーチという感じで」と話していた。監督面はせず、選手の夢をかなえることに全力を注ぐ。
「やることはコーチと一緒、みたいな感じでね。積極的に選手とコミュニケーションを取りながら、一緒に体動かして、汗かいて。選手の夢に乗っかって行く……みたいな感じになるでしょうね」
西武時代の豊富な経験は言うまでもない。社会人野球時代の経験もある。「NPBに行くために大切なものとは何でしょうか?」と尋ねると、意外な答えが返って来た。
「これね。ホントに何度も言うけど、まずあいさつなんです。NPBって」
技術はプロの水に慣れることで急激に成長することもある。それ以前に、周りとちゃんとコミュニケーションが取れる人間でなくてはならない。
「(NPBは)過剰なほどあいさつするしねえ。できなければ『なんだ、こいつ』ってなっちゃって、チャンスが回って来ない、なんてことがあるかもしれないから。もう『性格だから』っていうのはナシで」
新入団選手には十代の若い選手も多い。今年の徳島は、第一にあいさつから。
インタビューが終わると、選手に「俺もいまからジム行こうかな。そこってプロテインあるの?」と尋ねていた。体ごと選手のなかに飛び込んで行く姿勢でいる。