元徳島・中島25歳まで現役続けるための福井移籍、徳島で見せたい元気な姿

 【元徳島・中島健介捕手】=文・高田博史

 北海道・稚内からJAバンク徳島スタジアムへ、中島健介の父・正文さんと母・敬子さんが応援に来てくれた。昨年5月3日のことだ。

 大学3年のときに野球部を退部している。「もう1回、両親にプレーしているところを見せる」が目標だった。

 「応援してくれてたのに辞めちゃって、申し訳ないじゃないですか。年1回しか見に来られない。でも、そこにぶつかったんです!」

 捕手としてマスクをかぶっている姿を見せる夢は、徳島でかなった。

 出場した公式戦の数は1年目が6試合、2年目が17試合と決して多くはない。だが「出ればやれる」という自信はある。そのための準備は常にできていた。

 退団を決意した理由は、出場機会を求めたからではない。チームを変えることは賭けだ。そのままプレーする場所がなくなってしまうリスクがある。徳島への愛着もあった。しかし、このまま終わってしまうことを望んではいなかった。

 高校時代に付けていた野球ノートには「25歳まで野球を続ける」と書いている。それが目標であり、タイムリミットだと考えていた。それが今年だ。

 「もっとボーン!と爆発的にうまくならないといけない。移籍して、徳島でたくさん勉強したことを基盤にしてやったほうが、可能性があるんじゃないか」

 止めようと説得するチームメートたちの声を、振り切って受験したBCリーグのトライアウトで、福井への入団が決まる。自分に課した賭けに勝った。

 徳島で出会った人たちに、大きな感謝の気持ちがある。

 「チーム変わっちゃいましたけど、また徳島に帰って来て、元気な姿を見せられたらうれしい。それが念願ですね。前は両親にプレーしている姿を見せることだったのが、今度はそっちが目標になると思うんです」

 新しいミットに「大義」と刺しゅうを入れた。捕手としての道を究めたい。そしていつの日か、故郷・北海道で野球を指導したい。

 「だから上を目指そうと思いますし、それが僕の『大義』です」

 ミットの親指部分には、北海道をかたどった焼印が押されている。

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