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徳島・吉田嵩 大成長遂げた独立L生活

 目標だった高卒1年目でのNPB入りを果たし、増田大輝(右)とともに笑顔を見せる吉田嵩(左)(提供・山田次郎)
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 【徳島・吉田嵩投手】

 ドラフト会議はすでに「育成枠ドラフト」へと進んでいる。吉田嵩は球団スポンサーであるショッピングモールの会議室で、球団関係者とともに会議の様子を見つめていた。

 同じ「吉田」姓の選手が2人、先に指名を受けている。その度「自分か!」と心を揺さぶられた。ソワソワする気持ちはもう、とっくにピークを越えている。

 自分のことを評価してくれている6球団のうち、1つが中日だった。

 「どこかで呼ばれたい!と思っていて。中日が育成1巡目で左投手を獲ったので『もしかして次、右なんじゃないかな』と思っていました」

 読みは当たる。育成枠2巡目、3人目の「吉田」は正真正銘、自分の名前だった。「やっとか……」と大きく息を吐いた。そこから先は「とりあえず、良かった……」とほっとしてしまい、あまりよく覚えていない。

 8月に3試合連続での完投勝利を達成したあと、やや調子を落としていた。だが9月に入り、しっかり走り込んだことで調子も上向いている。ブルペンではキレのあるストレートを連発していた。

 最後の実戦登板となったフェニックス・リーグ、東京ヤクルト戦(10月7日、西都原運動公園)では、3イニングを無失点に抑えながらも四回にマメをつぶしてしまい、途中降板している。ボールが指に掛かりすぎていたことが原因だった。「納得」と言えるアピールを終え、指名を待った。

 高卒1年目でNPBへの切符をつかんだことは、後に続く選手たちにとっての大きな道しるべとなる。

 徳島に来て、野球選手としてはもちろんだが、それ以上に一社会人として成長できた。

 「お金稼ぐのも初めてだし、自分で家賃を払うとか、精神的に大人になれたっていう部分もある。この1年の生活、全部含めて成長できたって感じです。こういうのって、ここでしか味わえないし、独立リーグならではだなって思います」

 大学進学を捨て、最短でのNPB入りに懸けた1年だった。ようやくこれで「アイランドリーグに来て良かった」と、心から言える。

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