広島・鈴木「あ、これいけるわ」 木更津総合時代のサイドスロー転向でつかんだサクセスストーリー「あれが分岐点だったのかな」

現在はアンダースローで奮闘する広島・鈴木
秋季関東大会の決勝進出を決め、ガッツポーズをする木更津総合・鈴木=2014年10月
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 高校野球シーズン限定でカープの選手に高校時代を振り返ってもらう新企画『コイ戦士 高校野球の思い出』。今回は鈴木健矢投手(28)が千葉県の強豪・木更津総合時代、転機となった出来事を振り返った。

  ◇  ◇

 激戦区である千葉県の中でも木更津総合は指折りの強豪だ。甲子園出場は春4回、夏8回の計12回を誇り、プロ野球選手も数多く輩出している。そんな野球部の中で鈴木は「2年生の夏までは普通にベンチからも外れるようなピッチャーだった」という。

 「あれが分岐点だったのかな」

 のちにプロの舞台まで続く道。そこに一歩、踏み出したのは、2年秋の県大会が始まるわずか2週間前のことだった。「普通、大会直前に変えるなんてありえないんですけど…」。着手したのは大幅な投球フォーム変更。「何か変えなきゃいけない」という危機感が右腕を突き動かした。

 2年夏までの投球フォームはオーソドックスな上手投げ。球速は「120キロそこそこ」だった。自分が強豪校で生きていくためには-。「頭によぎった」のは中学時代、打撃投手を務める際に遊びの延長線で、サイドから投げていたことだった。

 「2年の夏もベンチ(メンバー)から外れて、秋の大会も本当に外れるか外れないかギリギリのところだった。そこで思い切ってサイドに変えた」

 誰かからの助言でもなく、自ら決断したサイドスロー転向。キャッチボールで、すぐに「あ、これいけるわ」という感覚をつかみ、球速は132キロが出た。「急にバッターの反応が変わった感じがして、コントロールで苦しむこともなくなった。どんどん抑えられるようになった」

 急造フォームで臨んだ2年秋は1学年下の左腕・早川(現楽天)とともに奮闘。県大会を制し、鈴木は関東大会準決勝・常総学院戦で9回6安打3失点完投勝利。ちなみにこの時、後にカープでチームメートとなる宇草とも対戦している。

 爆速でサクセスストーリーを歩み、翌春の選抜甲子園大会でも2試合に登板。3年夏は県大会準決勝で敗退し、鈴木の青春は完結した。その後、社会人のJX-ENEOSに進み、日本ハムに入団。新庄監督の提案でアンダースローに転向し、24年12月の現役ドラフトで広島に加入した。

 今年でプロ7年目。チームで唯一無二の輝きを放つサブマリンの“分岐点”は高校時代にあった。

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